
チェーン店のかすうどんで、なんか物足りひんかった夜の話
仕事帰りにふと温かいもんが食べたくなって、駅前の大通りにあるチェーン店でかすうどんをすすった。値段も手頃だしそれなりに美味しいんやけど、食べ終えたあとに残るのは「なんか、どこで食べても一緒やな」という妙な物足りなさやった。原材料が高騰してるから値上げラッシュなのは分かるけど、そのせいで「この値段でこの満足感?」と首をかしげることも増えた気がする。
世の中のグルメサイトを開けば、インフルエンサーがこぞって推す行列のできような派手な店ばかりが目につく。でも、本当に地元民が通ってる安くて旨い店って、そういう画面の向こうにはなかなか転がってないもんや。
看板のない店ほど旨い、という大阪の裏ルール
「大阪のB級グルメといえば派手な看板の有名店」なんて言われがちやけど、あれは半分ホンマで半分は観光客向けのエサ場やと思ってる。本当に地元の人間に愛されているのは、看板すらない築50年を超えるような古びた長屋の店舗やったりする。
初めてそういうディープな路地裏に足を踏み入れるときは、どうしても「一見さんお断りやったらどうしよう」って足がすくむ。でも、勇気を出して古びた暖簾をくぐってみればええ。常連さんの隙間にそっと座って、壁のメニューを指差すだけで、店主は無愛想ながらも最高の一杯を出してくれる。その緊張感が、かえって食事を何倍も美味しくするスパイスになるんや。
西成の牛アブラ串は、なんで1本100円でも1日300本売れるんか
たとえば、西成の裏手にあるホルモン店。そこで食べる1本100円の牛アブラ串は、まさに職人の執念が生み出した味や。
チェーン店やとタレへの漬け込みなんてせいぜい2時間ほどらしいけど、こういう隠れ家ではなんと12時間もしっかり漬け込んでいる。時間をかけることで肉の旨味成分であるイノシン酸が約1.8倍にも跳ね上がるから、口に入れた瞬間のパンチが違う。1日に300本以上も売切れるっていうのは、宣伝文句やなくて客の舌がちゃんと正直に反応している証拠や。
天王寺のかすうどんと鶴橋の千成、45年間変わらん矜持
路地裏の實力を語るなら、天王寺の「かすうどん京屋」と鶴橋の「お好み焼き千成」は外せない。京屋は油かすの配合量が一般的なチェーン店の1.5倍も入っていて、出汁のコクがもう一段階深い。
一方の千成は、カウンターがたった4席しかない小さなお店や。ここでは生地の水分率を48%に抑えていて、約60%が主流のチェーン店とは違って外はカリッと中はトロッとした食感に仕上がっている。しかも、創業から45年間、1皿450円という価格をずっと死守しているのには頭が下がる思いがする。
店名 エリア 価格帯 特徴
ホルモンやまき周辺の隠れ家 西成 1本100円〜 12時間漬け込みで旨味凝縮、1日300本売切の牛アブラ串
かすうどん京屋 天王寺 600円前後 チェーンの1.5倍の油かすが生む濃厚なコクのスープ
お好み焼き千成 鶴橋 1皿450円 カウンター4席のみ、水分率48%の生地で外カリ中トロ
次に大阪来たら、行列よりこの路地を選んでほしい
ガイドブックに載っている派手な行列に並ぶのも悪くないけど、たまにはスマホをポケットにしまって、こういう裏路地の暖簾をくぐってみてほしい。こういう店を知るだけで、大阪の街歩きが何倍も面白くなる。
明日からは、なんとなく目に入ったチェーン店に入る前に、ちょっとだけ路地裏を覗き込む余裕を持ってみようと思う。私も、次は別のアブラ串を探しにまたあの街へ帰るつもりや。
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