OBSERVATION
2026-11-01
朝のニュースでトランプ大統領がまた関税で吠えとるのを眺めて、「どうせ派手に暴れとるだけやろ」と思たこと、ワイにもあるんや。せやけど知人と調べてみたら、半分しか見てへんかったと分かった。

2026年10月5日、三菱総合研究所(MRI)の知人が、政策・経済センターのコラム「ポスト・トランプの米国をどう見るか」を公表しとる。第2次トランプ政権が戦後米国外交の三本柱(自由貿易、世界の警察官、国際協調)から米国第一主義へ転換を進めとる、その背景には構造的な圧力があるという分析や(MRIエコノミックレビュー](ポスト・トランプの米国をどう見るか 底流に残る米国第一主義と懸念される国際秩序の空白 | MRIエコノミック・レビュー | エコノミックインサイト | MRI 三菱総合研究所))。2026年1月7日の大統領覚書も、[ホワイトハウスの公開文書](Withdrawing the United States from International Organizations, Conventions, and Treaties that Are Contrary to the Interests of the United States – The White House)で確認できた。

劇場やのうて構造や

要するに、トランプ個人のキャラだけで決まっとるわけやない、ちゅうのがMRIの見立てや。圧力は三つある。

一つ目は中国の台頭や。1994年にNAFTAが発効し、1995年にWTOの発足を主導した。2001年には中国がWTOに入っとる。ハーバード大の製品複雑性指数では、自動車や電気機械など複雑な品目で中国の輸出シェアが2024年に2割を超えた。米国・日本・ドイツのシェアは大きく下がっとる([MRI](ポスト・トランプの米国をどう見るか 底流に残る米国第一主義と懸念される国際秩序の空白 | MRIエコノミック・レビュー | エコノミックインサイト | MRI 三菱総合研究所))。

二つ目は所得や。1990年以降は高所得層の伸びが加速し、低・中所得層は低位にとどまった。ラストベルトの不満はここから来とる。ただしMRIは、自動化の影響も大きいと明記しとる。製造業が国内に戻っても、昔と同じ規模の雇用が生まれるとは限らんのや。ここは冷静に見なアカン。

三つ目は政治の分極化や。MRIは、中道派が細って支持層の両極化が進んだと指摘しとる。

世界の警察官は店じまいや

9.11のあと始まった「テロとの戦い」も大きい。ブラウン大学の「戦争のコスト」の推計では、対テロ作戦の対象国は約80カ国、費用総額は8兆ドル、戦闘で死んだ米兵は7,000人超とされる([Costs of War](Costs of War | Brown University))。直接・間接の死者は数百万人規模という推計もあるが、これは定義に左右される数字やで。

オバマ大統領の「世界の警察官ではない」発言から、2025年11月公表の国家安全保障戦略(NSS2025)は「負担分担と負担転嫁」を掲げとる。2026年初のベネズエラ攻撃や、2月末からのイスラエルとの対イラン攻撃も、MRIは世界の安定を主眼にした介入とは言い難いと評価しとる([NYT報道](02 (www.nytimes.com)))。

ここで大事なんは、政権が変わっても元に戻るとは限らん点や。民主党政権なら多国間協調に戻る可能性はあるとMRIも認めとる。せやけど超党派の合意に支えられてへんと、次の交代で覆される疑念は消えん。これはワイの見立てやけど、「誰が大統領になっても昔の米国には戻らん」と腹をくくっといた方が、判断を誤らんで済む。

誰もツケを払わへん

MRIはここで「キンドルバーガーの罠」を持ち出しとる。米国が公共財の提供を縮め、他の国もその空白を埋められん状態のことや。中国が代わりを務められん理由を、資料の数字で並べるとこうなる。

| 項目 | 米国 | 中国 |
|---|---|---|
| 外貨準備に占める割合(2026年1〜3月) | ドル 約57% | 人民元 約2% |
| 正式な同盟国 | 広範で制度化された同盟網 | 北朝鮮のみ |
| 好感度(16カ国の継続データ) | 2026年に統計開始以来初めて中国を下回る | 英国など多くの同盟・パートナー国で米国を上回る |
| 国内の重荷 | 格差・分極化 | 不動産低迷、地方債務、人口減少・高齢化 |

(出典:[MRI。ドル・人民元の割合はIMFのデータに基づく。)

好感度の逆転は警告やけど、中国を頼れるという話ではない。Pewの2026年調査は2〜5月の一時点で、継続取得できた16カ国が対象や。数字だけ抜き出して結論を強めすぎたらアカン。

うちらの防衛はどないする

正直に言うとくと、今回の資料には為替の記述がほとんどない。通商政策が円相場にどう効くかは推測の域を出んし、ワイは断言せえへん。

MRIが日本に求めるんは、CPTPPなどで通商ルールを支える、グローバルサウスと投資・人材で協力する、重要物資の調達先を多角化して第三国に生産拠点を持つ、の三つや。日本の国力低下は直視せなアカンとも書いてある。

個人の防衛で大事なんは、関税が続くか政権交代で反転するか、どっちか一つに賭けへんことやと思う。ニュースの一言で、積立も現預金の置き場所も決めん。自分の資産が円建てとドル建てのどっちに寄りすぎとるか、まず棚卸ししてみてほしい。投資先の銘柄については、ワイからは何も言えん。

完璧な答えは出へん。せやけど、トランプの一言に振り回されんと、構造を見て自分の腹を決めることはできる。せやからワイはこう思うんやけどな、したたかに生き残ったろやないか。

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