ロイヒト120g万年筆裏抜け検証

ロイヒト120g万年筆裏抜け検証

世間では「デジタル化で紙は不要」と言われますが、本当にそうでしょうか。私はむしろ、手書きの道具にこそ人間の意地が残っているように感じるのです。

梅田の地下街と薄い紙の憂鬱

雨の日の梅田の地下街は、じっとりとした湿気がまとわりついて、どうにも気だるい気分にさせられます。そんな日に机に向かい、お気に入りの万年筆を走らせる時間は、私にとって数少ない落ち着けるひとときのはずでした。

しかし、長年使ってきた従来の80g/m²という薄さのノートには、いつも小さなストレスが付きまとっていたのです。

パイロットの色彩雫やプレジールにインクを満たし、いざ文字を綴ろうとすると、じわじわとインクが裏側に染み出していく。まるで、せっかく築き上げた自分だけの静かな世界が、裏からじわじわと汚されていくような、そんな諦め混じりの鬱屈とした思いをずっと抱えていました。

120グラムの重みと懐疑心

そんな中で手に入れたのが、従来の常識を覆すような厚みを持つ、120g/m²エディションのノートでした。

指先でその紙に触れた瞬間、今までの薄いページとは明らかに違う、圧倒的な質感と頑丈さが伝わってきます。海外製の濃淡が強く出るインク瓶の蓋を開けるとき、私の部屋には張り詰めた静寂が広がっていました。

「どないせえっちゅうねん、これでまた裏に抜けてもうたら、私は一体何を信じればええんや」という、ヒリヒリとした懐疑心が胸の中で火花を散らします。期待が大きい分、裏切られたときの反動が怖くて、どうしても素直に信じ切ることができない自分がそこにいました。

太字が走る薄氷の境界線

私は意を決して、インクが潤沢に溢れ出る極太字(B)のニブをノートに滑らせてみることにしました。

紙の上に容赦のないインクの波が広がっていきます。驚いたのは、これだけ分厚い紙でありながら、ロイヒト特有のあの『サリサリとした心地よい筆記感』が、少しも死んでいなかったことです。指先から脳へと、あの独特の手応えがしっかりと伝わってきます。

しかし、勝負はここからです。文字を書き終え、ページをめくる直前、私の指先はかすかに震えていました。あの不快なゴースト現象(透け)が裏側に現れているのではないかという恐怖が、頭をよぎったからです。

裏面を確かめて知る真実

ゆっくりとページをめくったとき、私の目に飛び込んできたのは、汚れなき真っ白な裏面でした。

インクは裏側に一切抜けることなく、しっかりと紙の表面にとどまっていたのです。長年私を縛り付けていたあのストレスや諦念が、一瞬にして吹き飛んだような、震えるほどの高揚感と圧倒的な解放感が全身を駆け巡りました。

世溢れるニュースも、目の前のノートも同じではないでしょうか。誰かの言葉を鵜呑みにせず、自らの手で「裏」を確かめて初めて、その真実は自分の血肉になるのだと、私はこの真っ白な裏面を見て確信しました。自分の日常にある、こうした譲れないこだわりを愛することこそが、今一番必要なことなのかもしれません。

皆さんは、自分の日常で「これだけは譲れない」という確かなこだわりを持っていますか?

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