暗い部屋、光る画面、時給1500円の冷たい現実
隣の部屋で夫が寝息を立てている深夜、私はシーツの冷たさを感じながらスマホの青白い光を見つめてる。今日も一日、SNSに張り付いて、流行りのハッシュタグを追いかけて、綺麗な画像と共感されそうな言葉を並べた。「いいね」はつくのに、仕事の相談をくれるDMは一通も来ない。
同業者なんて星の数ほどいて、みんな必死。誰かが少し安く仕事を請け負えば、すぐに価格競争に巻き込まれる。時給換算したら1,500円にも満たないような案件を奪い合って、心がどんどんすり減っていくのがわかる。「私、一体何のために毎日投稿してるんだろう?」 そんな虚しさが、胸の奥でぐちゅぐちゅと音を立てる夜。あーあ、また寂しくてやっちゃったな、って自分を責めたくなるのよね。でも、このままじゃ終われない。
1万人という海の幻、夜の底にため息を拾う
ある日、ふと気づいたの。フォロワーが1万人いても、それが「ただの数字」なら意味がないってこと。大勢に向けた発信は広すぎて浅くて、結局誰の心にも刺さらない。受注率が1%以下なんて残酷な数字を見て、私は数の海で溺れるのをやめることにしたの。
それからは、Xのリスト機能を使って、私の発信に反応してくれる人の「文句・不満・あきらめ」をNotionのノートに書き留めるようになった。彼女たちのため息は、夜の静けさの中で聞く貴重な本音。特定の悩みを抱える人のキーワードを拾って、30分でその悩みに寄り添う言葉を紡ぐ。 誰かの一人が「これ、私のことだ」って思ってくれたら、それでいい。そうやって、小さな灯火を一つずつ灯していく感覚、やっとわかってきた気がする。
闇夜の足跡をたどる、たった30人のための温かい部屋
そうやって潜り込むように言葉を届けていると、SNSから私の発信に辿り着いた人たちが、他の場所から来た人よりもずっと長く私の言葉を読んでくれていることに気づく。SocialDogで誰が私について話してくれているかを確認しながら、高単価の案件に繋がった「大切な投稿」を月5件ほど特定したの。
大勢に向けて叫ぶのをやめて、本当に悩んでいる「たった30人」に個別にZoomで相談を打診してみた。 そうしたら、なんと40%の確率で「あなたにお願いしたい」と言ってもらえるようになったの。画面越しに相手の悩みの輪郭をなぞって、解決策を一緒に探る時間。案件が途切れなくなっていく確信は、なんだか胸が熱くなるような静かな震えに似ている。
夜明けのコーヒーと、私たちが泳ぎ切るための約束
今朝、淹れたてのコーヒーを飲みながらふと思ったの。あの頃、ただ数字を追っていた私が、今はフォロワーの「購買行動の芽」――つまり、彼女たちが心の底で願っている本当の救いを分析できている。おかげで受注率は平均24%も上がった。全然関係ないんだけど、昨日スーパーで見かけた、少し高めのいちごが意外と甘くて、なんだかそれだけでちょっといい一日になりそうな気がしたわ。
誰かに依存しなくても、自分の言葉を届けたい人に届けることができれば、私たちは自分の足で立てる。 フォロワーの数は、孤独を埋めるためのただの飾りじゃない。私たちが夜の海を泳ぎ切るための、確かな羅針盤なんだと思う。自分を大切にできない夜があってもいい。でもね、あなたのその切実な悩みも、誰かの救いになるかもしれない。心だけは冷やさないように、今夜も少しだけ前を向いて歩こうね。
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