47歳、事務以外へ。1日1時間の再出発

47歳、事務以外へ。1日1時間の再出発

ふと、深夜のキッチンでマグカップを温める手が止まる瞬間があります。ああ、私、このままでいいのかなって。そんな小さな溜息から、私の夜は始まります。

午前4時、冷え切ったキッチンで

窓の外はまだ暗くて、隣の部屋で眠る子供の寝息がかすかに聞こえてきます。この静けさが、今は唯一の私の拠り所。キッチンに流れるのは、冷蔵庫の低い唸り音と、ラジオからぼんやり流れる世の中の話。定年がどうとか、リスキリングがどうとか。誰かの無機質な声が耳をかすめるたび、今の私の仕事、ただ領収書の束を整理して数字を打ち込むだけの毎日が、急に薄っぺらいもののように感じて胸がズキリとします。

47歳。事務の仕事は楽じゃないけれど、慣れてしまった「ぬるま湯」の温度が、今は何より怖いんです。コーヒーの湯気がふわりと漂う中、自分の中に漂う焦燥感に、そっと蓋をする夜。

捨てきれない過去の残骸

キーボードを叩く私の指は、もうすっかりこの事務仕事の癖が染み付いています。長年積み上げてきたこの「事務スキル」は、私を支えてくれた大事な鎧でもあるはずなのに、どうしてこんなに重たく感じるんでしょう。

新しいことを始めようとノートを開いても、鉛筆を持つ手がなんだか強張ってしまいます。新しい知識を入れようとすると、まるで身体が拒絶反応を起こすみたいに。でも、このままじゃダメなんだって、心のどこかでずっと叫んでいる。この執着は、これまでの私を否定したくないという小さなプライドなのかもしれません。愛着と憎悪が混ざり合って、なんだか少しだけ泣きたくなります。

微かな亀裂、1時間の聖域

それでも、勇気を出してノートに向かう1時間を作ることにしました。誰に強制されたわけでもない、本当に私だけの学びの時間。キッチンで冷えたココアを飲みながら、昨日とは違う言葉を数行だけ書き写してみる。

たったそれだけのことなのに、不思議と胸の奥がじんわり温かくなるんです。誰かの母親として、パート先の一従業員としてではなく、ただの「私」として呼吸している。家族の寝息を聞きながら、世界からポツンと切り離されているようなこの感覚が、今はとても心地よくて。小さな小さな一歩だけど、私、今日を自分のものにしたぞって、そんな手応えが少しだけ自信をくれます✨🌿

境界線の向こう側で

空が少しずつ白んできました。もうすぐまた、領収書の束と向き合う日常が始まります。でも、不思議と今はあの「事務仕事」に対しても、少しだけ穏やかな気持ちでいられそう。だって、私はもう、違う場所を見ているから。

明日、どんな一日になるかは分かりません。不安がないと言えば嘘になるけれど、今の私には、この1時間という「祈り」がある。そう思えば、不確実な未来だって、なんだか少しだけ好奇心が湧いてくるんです。

焦らなくていい、と自分に言い聞かせて。まずは今日、もう一度だけ、この1時間を大切に抱きしめてみようと思います🌸🥲☕️

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