わかる。というか、1ヶ月前の私がそれだった。
今月やろうとしていたこと
SwitchBotプラグミニとTP-Link Kasa KP115を計10台、Pythonスクリプトで一括制御する。デスク周りの電源を全部まとめて管理して、消費電力も可視化する。それが今月の目標だった。
約3週間で動くものは完成した。でも道中に、まったく予想していなかった壁に3回ぶつかった。
ブレーカーが落ちた
最初にやらかしたのはこれだ。
10台を同時にONにしたら、瞬間最大3,200Wの負荷が発生してブレーカーが落ちた。家電は起動時に定格の2〜3倍の電流が流れる。それが10台同時だから、突入電流が一気に重なる。「同時制御の方が効率的」という思い込みが、そのまま失敗につながった。
500msずつずらしてシーケンシャルに起動するように変えたら、あっさり解決した。「同時」を目指すことが、実は問題の原因だった。
APIに半日溶けた
SwitchBot Cloud APIには1日1万リクエストの上限がある。
10台のプラグを5秒ごとにポーリング監視すると、1日で約17,280リクエストになる。余裕で上限を超える。エラーコード429が返ってきたとき、最初は何が起きているか全然わからなかった。英語のドキュメントで情報も薄くて、原因特定だけで半日以上潰れた。
Webhookに切り替えたらリクエスト数が約95%削減できた。SwitchBotのWebhookは2023年のAPIアップデートで追加された機能なんだけど、日本語のドキュメントがほぼない。国内ユーザーの多くがまだポーリングのままだと思う。知らずに上限に近づいている人は結構いるはずだ。
ローカル制御の速度差
これが一番意外だった。
TP-Link Kasa KP115にはローカルLAN制御がある。クラウドAPI経由だと平均1.2秒かかるところ、ローカル制御は0.08〜0.1秒。約12倍の差がある。
SwitchBotはクラウド経由が前提の設計なので、この差はそのままレスポンスの差になる。「電源OFF」を押してから実際に切れるまでのラグが、体感でまったく違う。スクリプトで連続制御する場合、この差は地味に効いてくる。
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余談だけど、Meross MSS310という1,480円のプラグも比べてみた。SwitchBotプラグミニは3,480円。消費電力の測定精度を比べたら、誤差が±4.8%と±5.2%でほぼ同等だった。2,000円の差が精度に直結しないというのは、正直驚いた。
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スペック比較
| 項目 | TP-Link Kasa KP115 | SwitchBotプラグミニ | Meross MSS310 |
|---|---|---|---|
| 実勢価格 | 1,980円 | 3,480円 | 1,480円 |
| 電力計測精度 | ±3% | ±5.2% | ±4.8% |
| ローカル制御 | ◎(python-kasa対応) | △(クラウド経由主体) | △(制限あり) |
| 応答速度 | 0.08〜0.1秒 | 約1.2秒 | 約1.0〜1.5秒 |
| APIレート制限 | なし(ローカル) | 1万req/日 | なし(ローカル限定) |
| Webhook対応 | 不要(ローカルで完結) | ○(要設定) | △ |
| 購入先 | Amazon / TP-Link公式 | Amazon / SwitchBot公式 | Amazon |
使って気づいたこと
良かった点
- Kasa KP115のローカルLAN制御が速くて安定している
- python-kasaライブラリが成熟していて、Pythonスクリプトが書きやすい
- 安価なMerossでも電力計測の精度は実用上ほぼ同水準
気になった点
- SwitchBotはWebhook移行が必要で、国内の情報がほぼない
- スマートプラグ自体の待機電力が月あたり18〜22円かかる。月に数回しか使わない家電に使っても、節電効果がマイナスになるケースがある
向く人・向かない人
向く人
- Pythonでデスク周りを自動制御したい人
- APIレート制限なしでローカルLANだけで動かしたい人
向かない人
- スマホアプリだけで完結させたい人
- 月に数回しか操作しない家電に節電目的で使いたい人(効果が出ない可能性が高い)
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これ全然関係ない話だけど、昨日の夜に子供に「スマートプラグって何がスマートなん?」と聞かれた。「遠隔で電源操作できる」と答えたら「じゃあ手で切った方が速くない?」と返ってきた。8歳に核心を突かれた気がして、一瞬黙ってしまった。
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今月の目標だった「プロトタイプ完成」はひとまず達成できた。動いたし、3つの壁も全部乗り越えた。
次にやることは決まっている。ローカルLAN制御ベースに設計を統一して、APIレート制限を意識しなくていいアーキテクチャに作り直す。WebhookとシーケンシャルONを組み合わせれば、もっとシンプルで安定した構成になるはずだ。
皆さんはスマートプラグ、どう使っていますか?「全部まとめて操作できるはずが、アプリが増えてむしろ面倒」という経験はありませんか。もしあるなら、ローカルLAN制御に切り替えてみる価値はあると思います。
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