始める前夜、「絶対うまくいく」と思てた

冷静に考えたら根拠なんてなかった。でも、あの夜は本当にそう思ってた。

受講生1名、2週間、計5セッション・総計8時間。Zoomでやりとりして、Notionで課題管理して、Claudeで記事構成を一緒に考える。ツールは全部揃えた。流れも頭の中でシミュレーション済みやった。「この規模なら余裕で管理できる」と高をくくっていた。

当初の目標は記事3本の公開。Zoom1回は60分。初回オンボーディングは45分で終わる計算だった。

甘かった。全部。

目標3本のところ5本出た──でもZoomは毎回1時間半になってた

まず良かった話から。受講生のまいさん(仮名)が2週間で記事を5本公開した。目標の3本を超えた。これは素直に嬉しかった。

でも同時に、数字を並べると冷や汗が出てくる。

どうぞ、この表を見てほしい。

| 指標 | 目標値 | 実績値 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 記事公開本数 | 3本 | 5本 | ✅ 超過達成 |
| 1回あたりのZoom時間 | 60分 | 97分 | ❌ 毎回オーバー |
| 初回オンボーディング | 45分 | 90分 | ❌ 2倍かかった |
| 月換算の超過時間 | 0時間 | 約6.5時間 | ❌ 想定外コスト |

Zoomが毎回97分になってた、というのが一番きつい。5セッション×37分オーバー。月換算で約6.5時間の超過。受講生の時間を毎週少しずつ削りながら走ってたことになる。

初回のオンボーディングで90分かかったのには理由があって、ブログのコンセプト設計に最初の54分を全部使ってしまった。残り36分でツール操作を詰め込んだ結果、まいさんは翌日の課題で操作手順を3箇所ミスした。焦って詰め込んだら逆効果。語学のレッスンでも同じことをやりがちで、我ながら懲りないなと思った。

ChatGPTの文章をそのまま出したら直帰率89%。自分の言葉で書き直したら滞在時間3倍やった

これが今回一番おもろいデータやった。

まいさんが公開した5本のうち、2本はChatGPTの提案をほぼそのまま使って書いた記事。残り3本は自分の言葉で書き直した記事。

数字で並べるとこうなる。

| 記事タイプ | 本数 | 直帰率 | 平均滞在時間 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT原文ほぼそのまま | 2本 | 89% | (数十秒程度) |
| 自分の言葉で書き直し | 3本 | (かなり低い) | 4分12秒 |

直帰率89%って、ほぼ全員がページを開いてすぐ帰ってる状態や。

読者はページを開いた瞬間に「この人の言葉かどうか」を感知するんやと思う。AIが生成した文体には独特のリズムがあって、一読して「あ、テンプレートやな」ってバレる。だからといって「AIはダメ」という話にしたくなくて、道具として使い続ける前提は変わらない。ただ最後に「自分の色」を乗せる腕がないと意味がない、というのをデータで見せてもらった感じやった。

英語も中国語も同じで、教科書のフレーズをそのまま使っても相手の心に刺さらない。自分の経験が乗ったとき初めて言葉になる。そういう意味で、語学と文章は根っこが同じやと改めて思った。

余談だけど、先週スーパーで知り合いに偶然会って「ブログ読んでます」って言われたとき、「どの記事が面白かったですか」って聞いたら「なんか西田さんが直接話しかけてくる感じのやつ」って返ってきた。それ、たぶん自分の言葉で書いた記事やと思う。

「丁寧に教えるほどええ」は幻想やった──1,200字フィードバックより150字が刺さった話

1本あたり平均1,200字のフィードバックを返してた。それが良かれと思って。

でも実際に修正に反映されたのは、そのうち約30%だけやった。残りの70%はスルーされてた。

一方で「3点に絞った150字フィードバック」に変えたら反映率が上がった。丁寧に書けば伝わるという思い込みが、完全に崩れた瞬間やった。

連絡チャネルの差も数字に出た。

| チャネル | 修正着手までの平均時間 |
|---|---|
| Notion | 6.1時間 |
| LINE | 0.8時間(約8倍速) |

Notionに書いて送っても6時間後にやっと見てもらえる。LINEで送ったら48分で動く。まいさんが悪いわけじゃなくて、ツールの選択が行動速度を決めてたってこと。これは仕組みの話や。

もう一個、もっとしんどかった発見がある。

自己解決率が1週目の68%から3週目に31%まで半減した。

「いつでも聞いてください」が口癖やった。それが完全に裏目に出た。「いつでも聞ける」という環境が、まいさんの「まず自分で調べる」という習慣を壊してしまってた。

丁寧にやればやるほど自分の時間が溶けて、受講生は育たへん。構造的な罠やで、と正直頭を抱えた。

フィードバックの返却リードタイムも平均2.3日かかってた。翌日には受講生のモチベーションが急落する。つまり48時間以内に返せない仕組みは、仕組みとして欠陥がある。認めるしかなかった。

穴が全部見えた。次はここを直す

「アカンとこだらけやん」という感想が最初にきた。

でも少し経って、考えが変わった。直すべき箇所が全部見えた。これ、宝やで。

何がうまくいかへんのか分からんまま続けるより、2週間で構造的な課題が5つも可視化されたのは、正直すごいことやと思う。

次に変えること:

① Zoomは60分厳守。前半30分を「ゴール確認・振り返り・新インプット」の構造に使う
② フィードバックは3点・150字に絞ってLINEで送る
③ オンボーディングは別日に90分枠を設けて切り離す
④ 「まず自分で調べた内容を見せてから質問」ルールを導入する
⑤ カリキュラムはNotionに少しずつ書き溜めていく(完璧を待たない)

受講生を1名増やせるかという話でいうと、今のままでは増やせない。でも直せば増やせる、という手応えはある。

語学学習も同じやと思っていて、完璧な計画を揃えてから始めようとすると永遠に始まらない。1週間やってみて、うまくいかないとこを直す。そのサイクルを回すことが、たぶん一番速い道やと思う。

皆さんは「やってみて初めて気づいた」という体験、何かありますか?教える側に限らず、何でもいい。私はどうやら、失敗してみないと学べないタイプらしい。まあ、それでもええかと今は思ってる。

🛒 おすすめ商品