私は「いや、新規は無理だが、既存の口座はまだ終わりじゃない。むしろ、これからが本番だ」と答えた。妻はキョトンとしていたが、この制度が持つ真の価値は、その「継続性」にある。子供たちの未来を考えれば、この機会をただ見過ごすわけにはいかない。
継続管理勘定の深掘り
多くの人が「ジュニアNISAは2023年末で終わった」と認識している。それは新規投資枠の話であり、すでに開設済みの口座で投資された資金は、非課税期間が終わった後も「継続管理勘定」という仕組みに移管することで、子供が18歳になるまで非課税で運用を続けられる。これは制度廃止の際に設けられた、既存利用者への強力な救済措置だ。
例えるなら、一度購入した「電車の回数券」が、有効期限を過ぎても追加料金なしで「乗り放題パス」に自動的に切り替わるようなものだ。新規購入はできなくなったが、手元のパスはまだ長く使える。この継続管理勘定の存在を知らずに、安易に売却してしまうのは、非常にもったいない判断と言える。
非課税枠を活かす戦略
我が家の場合、子供が小さい頃に年間80万円の非課税投資枠を最大限活用し、5年間で合計400万円を投資してきた。この資金を、子供が18歳になるまで非課税で運用し続ける。仮に年利5%で運用できた場合、0歳から5年間投資し、その後18歳まで継続管理勘定で運用すれば、約1,000万円以上の資産形成が可能になるという試算もある。これは決して夢物語ではない。
具体的な運用商品としては、やはりS&P500などの米国株インデックスファンドや、全世界株式インデックスファンドが鉄板だろう。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)やeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、信託報酬が0.1%未満と低コストで、長期的な資産形成には最適だ。余談だが、最近GitHub ActionsでCI/CDパイプラインの自動化に着手したんだが、ああいう仕組み作りは投資も同じだとつくづく思う。一度最適なフローを構築すれば、あとは自動で回り続ける。
リスクと向き合う姿勢
もちろん、投資にはリスクが伴う。大切な子供の資金を減らしてしまうのではないかという不安は当然あるだろう。しかし、そのリスクを過度に恐れて何もしないことが、最大の機会損失となる可能性もある。
私は常にリスクと向き合うことを重視している。相場のリアルな狂気は5chの市況板を見ればよくわかる。「ロスカットで全財産失った」「もう退場する」といった阿鼻叫喚の声は日常茶飯事だ。だが、それはレバレッジをかけすぎたり、短期的な値動きに一喜一憂したりする結果であることがほとんどだ。
ジュニアNISAのような長期・積立・分散投資を前提とした制度では、短期的な市場の変動に惑わされず、淡々と積立を継続することが重要だ。楽天証券やSBI証券といった主要ネット証券なら、口座開設・維持手数料は0円で、多様な投資信託にアクセスできる。これらインフラを最大限活用し、「自動で増える仕組み」を構築する。それがリスクをコントロールしながら資産を働かせる基本だ。
未来への布石と金融教育
このジュニアNISAの継続運用は、単なる資産形成以上の意味を持つ。それは、子供たちへの金融教育の「生きた教材」でもある。
先日、小学3年生の長男が「お父さん、なんでお小遣いって増えないの?」と聞いてきた。私は彼に、ただお金を貯めるだけでなく、どうすればお金が「働く」のかを話してやった。まだ完璧には理解できないだろうが、将来彼らが18歳になり、このジュニアNISA口座の資産を目にした時、きっとその意味を理解するはずだ。
我が家では、このジュニアNISAを軸に、法人・個人を通じた資産の運用効率を見直し、配当収入を最大化するポートフォリオへの再編を進めている。そして、このプロセスを通じて、子供たちへの金融教育、さらには将来的な事業承継を見据えたタックスプランニングの着手も具体的な目標として掲げている。ベランダで育てているミニトマトが、小さな実を付け始めたのを見た時、地道な努力が実を結ぶ感覚が、投資と重なる気がした。
冷徹な教訓
ジュニアNISAは新規投資が終わったとはいえ、既存口座の継続管理勘定は、子供の未来のために活用すべき強力なツールだ。世間の「もう終わった」という通説に惑わされず、その本質を見抜く冷徹な視点が必要となる。
銭は働かせるもの。眠らせていては、インフレに食い潰されるだけだ。リスクと向き合い、長期的な視点で資産を構築し、それを次世代へと承継していく。それが、経営者として、そして親として果たすべき責任だと私は考えている。仕組みを構築し、あとは淡々と運用を続ける。これが、相場で生き残り、資産を増やすための揺るぎない教訓だ。