キーを下げるたびに、何かをごまかしている気がした
「クリスマス・イブ」も「RIDE ON TIME」も、20代の頃は原曲キーで普通に歌えていた。50代になった今、同じ曲を同じキーで歌うと、高音で声がひっくり返るか、声量がすっと落ちる。
キーを下げれば歌える。でもそれをやるたびに、「まあ歳だししょうがない」と自分に言い聞かせている感覚があった。本当にそうなのか。喉の衰えは不可逆なのか。そこがずっと引っかかっていた。
10メソッド試して、7つを見限った
ネットや教則本を漁ると発声メソッドは山ほど出てくる。全部を丁寧に試す時間もないので、8週間・週3回・1回30分、計72回の枠を決めて、片っ端から自分の喉にかけてみた。
結果、残ったのはたった3つ。
| メソッド | 効果 | 理由 |
|---|---|---|
| タンポリング | ◎ | 唇の振動で余計な力みが抜け、腹圧の通り道が整った |
| リップロール | ◎ | 息漏れの位置を確認でき、高音での息切れが減った |
| ハミング共鳴 | ◎ | 鼻腔に響きを移す感覚が掴め、キーAの支えになった |
| 残り7メソッド | × | 50代の声帯には負荷が高すぎ、翌日に喉の張りが残った |
腹筋を強く締める系のメソッドは特に危なかった。若い頃の喉なら消化できた負荷でも、50代の声帯粘膜はそこまで無理が利かない。ここで欲張らず3つに絞ったのが、結果的に一番効いた判断だったと思う。
「喉を開け」は自分の喉では裏目だった
シアーミュージックの体験レッスン(2,750円)で、講師から「喉をもっと大きく開けて」と指導を受けた。定説通りではある。でも3週目で自己判断で方針を変えた。
自分の場合、喉を大きく開けようとするほど声帯周りに力みが入り、逆に高音で疲労しやすくなった。むしろ喉は軽く閉じ気味にしたほうが、キーAが素直に通った。
もうひとつ変えたのが、腹圧の「送り先」と「タイミング」だ。「腹から声を出せ」とよく言われるが、腹圧を強めるだけでは喉が締まって逆効果になることが何度もあった。効いたのは、へそ下3センチの丹田から、頭頂部の空洞(鼻腔・咽頭腔あたり)に向けて圧を送るイメージ。しかもそのタイミングを、感覚的に0.3秒早める。声を出す直前ではなく、出す予備動作の段階で圧をかけ始める感じだ。これで喉が締まる前に息の通り道が開く。
週3回30分、8週間の記録
練習の枠組みは単純だ。練習前に常温水500mlを摂取(冷水は喉を締める)。発声の60分前には食事を済ませ、胃酸の逆流を防ぐ。この2つを守るだけで高音の伸びが体感で2割変わった。
ピッチの確認は「Vocal Pitch Monster」でグラフ化し、キーAの音程誤差を±50セント以内に収まるまで反復。毎回の練習はTASCAM DR-05Xで録音し、8週間で約36時間分を聴き比べた。この聴き比べで気づいたのが、前述の0.3秒のタイミングのズレだった。
12%から68%まで
キーAが裏返らずに出た割合を記録すると、1週目は12%。ほとんど通らなかった。8週目には68%まで上がった。地味な数字だが、この72回分の積み重ねがなければ辿り着けなかった数字でもある。
正直、腹式呼吸を鍛えれば高音は自然に出る、という通説を信じてもっと早く挫折していてもおかしくなかった。喉を開けろという指導も、自分の喉には合わなかった。結局効いたのは、圧の送り先を変え、タイミングを0.3秒早め、喉を軽く閉じるという、通説とは逆の組み合わせだった。
今日、風呂場や車の中でリップロールとハミングだけでもやってみてほしい。あなたの喉には、どのタイミングが合うだろうか。
🛒 関連のおすすめ商品
- パワーブリーズ プラス POWER breathe 標準負荷 重負荷 健康...
- POWERbreathe パワーブリーズ プラス 超重負荷 レッド 赤
- 腹式呼吸マスター 腹式呼吸グッズ 吸って吐くだけ 簡単トレーニング マウス...
- 肺活量を鍛える器具 呼吸ダンベル 呼吸訓練器具 呼吸筋 肺活量トレーニング...
- 呼吸ダンベル 肺活量 トレーニング 呼吸トレーナー 肺活量アップ 肺呼吸 ...