
アナログな音に包まれて、デジタル脳がちゃんとほぐれた話
音楽もそうだ。仕事中にSpotifyを開いて、「今の気分に合う曲」を探し続ける。気づいたら30分経っていて、結局よく知っているプレイリストをかけ直す。あの選曲ループ、結構しんどい。
音楽を聴きながらすり減る感覚
毎日7時間くらいは平気で画面を見続けている。AIのプロンプトをこね回して、画像を出力しては調整する日々。集中したいからBGMを流すんだけど、そこにSlackの通知音やスマホのバイブレーションが容赦なく混ざり込んでくる。
結局、ちゃんと音楽を聴いた感覚なんてゼロだ。夜になっても頭の中がずっとざわついていて、疲労感だけがべったり張り付いている。
これ全然関係ないんだけど、最近ベランダのパキラが急に元気になってきて、新しい葉っぱがどんどん出てるんだよね。無言でただそこにある植物の存在感に、妙にホッとしたりする。たぶん、情報を受け取らなくていいからだと思う。
「スマホ断ちしたい」と思っても、5分後には無意識にショート動画をスクロールしている自分がいる。代替になる明確なアクションがないと、デジタルからは逃げられない。
針を落とすという不便な儀式
今週末は、少しだけデジタルから距離を置きたかった。だから、都内の隠れ家的なジャズ喫茶を巡ってきた。画面もプロンプトもなし。ただ、レコードの重なり合う音を聴きながらコーヒーを飲むためだけに。
そこでの体験が忘れられなくて、結局手頃な3万円台のレコードプレーヤーを買ってしまった。Bluetooth対応のものだけど、あえて繋がずに使っている。
レコードは不便だ。A面で30分。曲順は固定で、スキップもできない。聴くためには、盤を拭いて針を落とすという物理的な儀式が必要になる。
でも、この「選択不能な30分」が、今の私には強烈に効いた。
音質ではなく聴き方の問題
よく「ハイレゾの方が音がいい」と言われる。数値上はそうなんだろう。でも、ストリーミングのUIには常に「次の曲を選ぶ」という認知コストがつきまとう。
結局、音質の問題じゃない。「聴き方の設計」の問題だったんだと思う。
アルゴリズムが延々とおすすめを流し続ける状態は、脳を休ませてくれない。レコードの「30分間、ただ流れる音に身を委ねるしかない」という制約が、逆に深い解放感をくれた。
それに、アナログ特有のノイズや、耳には聞こえない帯域の音が、不思議と脳の奥を鎮めてくれるような感覚がある。
意図的な空白がもたらすもの
A面の再生が終わって、プツッ、プツッという針の音だけが部屋に響く。その時、ふと「あ、私、スマホを全然触ってなかった」と気づいた。
その静かな満足感は、ここ最近感じたことがないくらいクリアなものだった。
デジタルツールは便利だし、私の表現には絶対に欠かせない。でも、だからこそ、意図的に「選べない時間」を作ることが必要なんだと痛感している。
ノイズ混じりのアナログな音にどっぷり浸かったおかげで、凝り固まっていたデジタル脳が少しだけほぐれた気がする。明日からまた、新しい視点でプロンプトと向き合えそうだ。
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