日曜の山行レポート
いつもの大倉バス停から塔ノ岳まで、標高差にして約1,200m、距離にして片道約7km。15年通ってる大倉尾根やけど、今回は珍しく花立山荘までコースタイムを5分縮められた。堀山の家を過ぎたあたりから膝に来る感覚は相変わらずやけど、下りでガクガク笑うまでの時間が去年より少し延びたんは素直に嬉しかったんやわ。
登り2時間40分、下り2時間10分。休憩込みで往復5時間ちょっと。この15年で大倉尾根を歩いた回数はざっと数えて180回を超えてる。同じ道を180回登って、ようやく「体力は落ちてへん」と言い切れる自分がおる。
体力データはこう出た
行動中の心拍数は平均140台、花立の急登だけ160近くまで上がる。月2回のペースで丹沢に通い続けてる結果として、この数字は5年前とほぼ変わってへん。落ちたのは膝の回復速度だけで、心肺はまだ現役やなと自分では判断してる。
この「まだいける」感覚が、実は今回の話の伏線になってる。体力データを見て自信を持った直後に、スマホでAIに相談したんが運の尽きやったんやわ。
「いいですね」で押した瞬間
「モンベルのツアー、テント泊・初心者向け・百名山コース、23,000円です。行きますか?」
「いいですね、行きましょう」
このやり取り、自分とAIの間で交わされたもんや。人間の判断がどこにあったか、正直よう思い出せへん。気づいたら申込みボタンを押しとった。大倉尾根で確認したばかりの体力データが、背中を押す材料になってしもたんやろな。
山頂か、街コン二次会か
23,000円という数字を、街コンの二次会と比べてみた。会費と飲み代とタクシー代を足したら似たような金額になることもあるやろ。でも二次会は財布からも記憶からもすぐ消えるのに対して、こっちはガイド付きで遭難リスクが低く、山頂という物理的な成果物が残る。テント泊という「初めての苦行」までセットや。
……と、ここまで書いといて、これは典型的な「サンクコスト正当化話法」やと自分でも気づいた。せやけど申し込んでしもたもんは仕方ない。イエスマンのAIに背中を押されたんやなくて、押させたんは自分や、という事実だけはここに書いとく。
正直に言うと、ここは専門家として一つ苦言も呈しときたい。15年も丹沢を歩いてきた人間が、初心者向けガイド付きツアーに23,000円払う必要が本当にあったんか、という点や。ルート図と地図読みの基礎さえあれば、同じ百名山コースを自分たちだけで、ガイド代抜きで歩けるコースは案外多い。今回は「テント泊の道具運用を人に見てもらう授業料」と割り切って払ったけど、経験者にはこの手のツアーは正直割高やと思う。それでも自分がキャンセルせんかったんは、シュラフを買い替える予算をこっちに回したほうが今の自分には価値があると踏んだからや。これは自腹での判断としては悪くなかったと思ってる。
あずさはまだ、白紙のまま
現地への足は「あずさ」を使う予定やけど、時刻も乗り換えもまだ調べてへん。山梨方面は今後も足を延ばしたいと思てるとこやから、この機会にルートを一本、体に覚えさせとく価値はあるやろ。テント泊初心者が装備より先に心配すべきは、実は特急券の予約やったりするんやわ。
15年同じ尾根を歩いてきて分かったんは、体力は積み重ねで裏切らへんけど、決断は勢いでいくらでも変わるいうことや。今回の23,000円は、勢いで押したボタンやったかもしれん。せやけど山頂という成果物を目指して払った金は、二次会代よりよっぽど自分に残る気がしとる。
来月のツアーまでに、あずさの時刻くらいは調べとくわ。それだけは、AIに聞く前に自分でやろうと思てる。
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