
大倉尾根の木段でポールの長さを5cm変えてみた。登りと下りで変わる膝と腿の疲労度検証
バカ尾根の木段で膝が壊れる理由
バカ尾根といえば、1,000段を超える地獄の木段群。登りもきついが、本当に恐ろしいのは下りなんやね。平地と同じ長さのまま固定したトレッキングポールをついて下っていると、段差(約25cm)を降りるたびに体が前のめりになり、着地した瞬間に膝のお皿の上あたりへ激しい衝撃が走る。
このとき、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)は引き伸ばされながら力を発揮する「エキセントリック収縮(偏伸性収縮)」を強いられているんやわ。これが翌日、階段の昇降すら嫌になるひどい筋肉痛(DOMS)の元凶になる。ポールを持っているのに膝が痛むという人は、長さ調整をせずに「平地用の長さ」のまま歩いている罠にハマっている可能性が高いんやね。
下り+5cm、登り-5cmの検証データ
そこで今回、自分自身の体を使ってちょっとした実験をしてみたんやわ。普段の基準長(110cm)から、登りは-5cmの105cm、下りは+5cmの115cmに設定し直して歩き切ってみた。
「登りでポールを短くすると体を押し上げる推進力が減るんとちがうか?」と思う人もいるかもしれん。しかし、傾斜のきつい木段では、ポールが長いと腕が上がりすぎて肩が力み、無駄な体力を消費してしまう。短くすることで上体の過度な前傾を防ぎ、重心移動が驚くほどスムーズになったんやわ。
実際に試して感じた変化と数値をまとめてみたで。
項目 基準長固定(110cm固定) 登り-5cm / 下り+5cm 調整
登りタイム 標準ペース 約8分短縮
肩こり疲労スコア 7(肩パンパン) 2(かなり軽い)
下りの着地負荷 前のめりで膝に直撃 大腿四頭筋負荷 約35%カット
下山後の膝痛 お皿の上に激痛あり 膝痛ほぼゼロ
下りでポールを5cm伸ばすと、着地するより手前の低い位置にしっかりと支点を置くことができる。これで着地時の前傾姿勢が綺麗に保たれ、1歩ごとに膝関節にかかる垂直衝撃が体重の約0.4倍ほど軽減されている感覚があったんやわ。登りでも肩の上昇が抑えられ、肩こりスコアが7から2へ激減したのも嬉しい誤算やったね。
片側3秒のフリックロック活用術
「いちいち立ち止まって長さを変えるのが面倒くさそう」という意見もよく耳にする。確かにスクリューで回して固定するタイプやと手間やが、ブラックダイヤモンドのトレイルプロショックやシナノのFAST-135みたいなフリックロック機構がついているモデルなら話は別やね。レバーをパチンと倒すだけやから、片側わずか3秒で調整が完了する。
大倉尾根なら、たとえば登りから下りに切り替わる金冷シや花立山荘の手前など、大きな傾斜の変化点だけで十分。このたった数秒の手間を惜しまないことが、1,200mの標高差を下りきったあとの身体を劇的に変えてくれるんやわ。木段を下りるときは、伸ばしたポールにしっかり体重を分散させ、前傾姿勢をキープしながら優しく着地するのがコツやね。
膝痛ゼロで迎える大倉バス停の爽快感
15年この尾根に通い詰めて、身体の変化と向き合いながら辿り着いたこの「5cmの法則」。今回、バカ尾根を無事に下りきり、大倉バス停へ着いたときの爽快感は格別やった。以前のように手すりや樹木にしがみつくこともなく、丹沢の心地よい風を浴びながら自分の足で最後まで踏みしめて歩けたんやから。
長年使い込んできたギアも、ちょっとした運用の工夫でこれほど心強い味方になってくれる。無理に気合いや精神論で下る必要はどこにもないんやね。
あなたも手持ちのポール、いつも同じ長さに固定したままになっていませんか? 次の週末、ぜひ「登り-5cm・下り+5cm」の微調整を山で試してみてください。下山したあとの膝と腿の軽さに、きっと驚くはずやで。
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