朝、洗面所の鏡に映る自分を見るたびに、ため息が出るようになりました。35歳。会社員としての毎日を淡々とこなしているけれど、目尻の小じわと同じくらい、心にも小さな影が差しているのを感じます。このままでいいのかしら、と。

最近、友人が結婚したり、出産したりするのを聞くたびに、私だけが取り残されているような、漠然とした不安が募ります。マッチングアプリも試してみたけれど、どうもピンとこなくて。会うたびに、相手の期待に応えようと自分を「演じる」ことに疲れてしまいました。結局、誰かと深く繋がるよりも、会社以外の場所で、自分の力で何かを成し遂げたいという気持ちが、最近は強くなっています。

そんなある日、スマホで副業情報を眺めていたら、偶然noteの記事が目に留まりました。「フォロワーが少なくても稼げる」という見出しに、心が惹きつけられました。正直、誰かに私の話を聞いてほしい、私が何かに価値を提供できる人間だと思われたい、という気持ちは常に心の奥底にあります。それは、私にとって「承認欲求」というよりも、もっと根源的な「生存本能」に近いものなのかもしれません。

「今さら、私が何を、誰に向けて書けばいいのだろう?」

noteという言葉を耳にするたび、そんな自問自答を繰り返していました。会社の同僚である陽子には、いつも「アリス、最近何か新しいこと始めた?」と聞かれるけれど、具体的なことは何も言えずにごまかしてしまうんです。みんながSNSでキラキラした日常を発信しているのを見ると、私なんかが何かを書いても、誰にも響かないんじゃないか、と尻込みしてしまいます。

それに、本業との両立も大きな壁です。会社から帰ってきて、夕食の準備や明日の支度を終えると、もう夜9時を過ぎています。そこから記事を書くなんて、時間的に無理があるんじゃないかと。週末だって、友達と会ったり、ジムに行ったりするうちに、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

実は、昔、無料ブログを書いていたことがありました。でも、数ヶ月で更新が止まってしまって。誰もコメントをくれなくて、ただ独り言を言っているような虚しさに耐えられなかったんです。せっかく時間を使って書いた記事が誰にも読まれなかったら、また傷つくだけかもしれない。そんな過去の経験が、私の一歩を重くしていました。

でも、心の中にはずっと、何かを表現したい、誰かと繋がりたいという小さな火が燃えています。承認欲求は弱さじゃない、生存本能だ、と最近強く感じるようになりました。だからこそ、この気持ちを無視することはできません。

そんな葛藤の最中、ネットで「フォロワー50人でも月3万円を達成したクリエイターがいる」という記事を見つけました。フォロワー数より、特定のニッチな需要に応える質の高い記事が売れる、と。私の密かな興味であるロボット開発(物理的なものづくりへの憧れは、デジタルでの発信とはまた違う充足感があるように思います)や、日々の生活で感じていること、副業への挑戦だって、もしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

もちろん、「楽して稼げる」なんて幻想は抱いていません。記事一つ書くのに平均5時間はかかるし、市場調査にも週2時間はコミットが必要だという現実も知っています。でも、このまま何もしないで漠然とした不安を抱え続けるよりは、ずっといい。そう自分に言い聞かせ、一歩を踏み出す覚悟を決めました。

真っ白なnoteの編集画面を開いては閉じ、開いては閉じを繰り返しています。パソコンの前に座り込んで、手帳にはぐちゃぐちゃとメモ書き。

「いったい誰に、どんなことを伝えたいのだろう?」

まず考えたのは、会社の先輩で、いつも新しいスキルや情報を求めているAさんの顔でした。それから、昔の私みたいに「何か始めたいけど、なかなか一歩が踏み出せない」でいる友人たち。あとは、私と同じようにロボット開発に漠然とした興味はあるけれど、何から学べばいいか分からない、という人たちもいるかもしれません。そうやって、具体的なペルソナを3パターンくらい思い描いてみたら、少しだけ書くべき方向性が見えてきた気がします。

自分の過去の経験や、日々のささやかな興味の中から「これなら書けるかもしれない」というテーマを探すのは、想像以上に難しい作業です。副業の効率化について?それとも、SNS発信術?いや、やっぱり一番情熱があるのは、昔からひそかに温めているロボット開発への思いかもしれません。デジタルデトックスで得た静かな集中力で、目の前の物理的なものに触れる時間こそが、私にとっての『武器』を研ぎ澄ます儀式だと感じていますから。

とりあえず、具体的な目標を設定してみることにしました。1ヶ月以内に、有料記事を3本(1本500円設定)、そして集客のための 無料記事を5本 書いてみよう。これで、小さくても 月1万円 の収益を目指す。この「月1万円」という数字は、単なるお金の目標だけではありません。私の書いたものが誰かの役に立ち、その価値を認めてもらえるという、自己肯定感や承認の証として、心の中で静かに輝いて見えます。

X(旧Twitter)での宣伝も考えなくてはなりません。記事内容に関するQ&A形式のツイートはクリック率が15%も上がるらしいから、どうやって質問を投げかけようか、ぼんやりと頭の中でシミュレーションしています。

扉を開けた先に、まだ見ぬ私とあなた

まだ見ぬ誰か。私の言葉が、どこかの誰かの心に届くことを願っています。noteは、単なる収益を生む場所だけではないはず。新しい「繋がり」を生み出し、私の世界を広げてくれるかもしれません。

この新しい挑戦が、私の『東京サバイバル・フリーランス』への移行、ひいては残りの人生にどんな彩りを加えてくれるのだろう。そう考えると、期待と少しの不安が入り混じった、不思議な気持ちになります。

余談ですが、最近ベランダで育て始めたハーブが、少しずつですが芽を出してきています。小さな変化だけど、毎日水をやるのが楽しみで。そういう、地道な積み重ねが、きっとnoteでも大切なのでしょうね。

noteでの自己表現が、きっと私自身の自信にも繋がり、これからの出会いの場での自分にも、良い影響を与えてくれると信じています。これは、もう一度、自分と深く向き合う時間。そして、私自身の『武器』を磨き、デジタル社会というサバイバル環境を生き抜くための、大切な一歩になるでしょう。