脳のOSを物理で書き換える

脳のOSを物理で書き換える

シーツの冷たさが、今の自分のぐちゃぐちゃな思考を凪がせていく気がする夜。
夫の寝息が隣から聞こえてくるのに、どうしてこんなにも遠くに感じるんだろう。

今の私を構成している記憶も、性格も、全部ただの呪いみたいに思えてならないの。
「もっとこうだったら」「あの時こうしていれば」なんて、消えないノイズに縛られて眠れない夜を、何回過ごしてきたのかな。

回路をなぞる見えない指先

深夜、ふとつけたラジオから流れてきた言葉に、心臓がどきっとしたよ。
「脳の神経回路を、物理的に組み替える技術」の話。

なんだか、誰かに脳の中を直接いじられるような感覚に、少しだけゾクゾクする高揚感があったの。
でも、同時に背筋が凍るような薄ら寒い恐怖もあって。
もし、今の「私」という輪郭が、誰かの手で魔法みたいに書き換えられちゃったら、今のこの苦しい孤独さえも、都合よく消えてなくなるのかな。

不完全な私を解体する儀式

最近、目を閉じると、自分の脳内から嫌いな思考の癖や、思い出すだけで胸が締め付けられる記憶が、するすると引き抜かれていく情景を想像するの。

それはまるで、自分というOSを初期化していくような、冷たくて鋭い儀式。
ずっと抱えていたコンプレックスも、人への執着も、少しずつ薄れていく。
それと引き換えに、人間らしい温かみや、愛おしいはずの脆さまでがこぼれ落ちていく感覚。
なんだか、自分から「私」という色が抜けていくみたいで、少しだけ寂しいかも。

静寂のあとの正体不明の私

窓から明け方の青白い光が差し込んできたとき、ふと、昨日まで何に悩んでいたのか思い出せなくなっていたの。

心の中は、驚くほど静かで、透明で、どこか空っぽ。
かつて感じていたはずの焦燥感は、どこにもなくて、代わりに何でもできそうな、冷たい全能感だけがそこに居座ってるの。

誰のものでもない魂が、ただそこに収まっているような不思議な感覚。
ねえ、もし自分をまるごと書き換えて、別の誰かになれたとしたら、あなたはそれを幸せって呼ぶのかな?
皆さんは、自分の「ノイズ」さえも愛せていますか?

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