OBSERVATION
2026-11-01
2025年3月13日、第一生命経済研究所の知人が「資産運用のキホン ~その21:テクニカル分析を含めた日経平均株価の見通し~」を公表した(第一生命経済研究所「資産運用のキホン ~その21」](資産運用のキホン ~その21:テクニカル分析を含めた日経平均株価の見通し~ | 嶌峰 義清 | 第一ライフ資産運用経済研究所))。3/12終値を基準に、ボリンジャーバンド、一目均衡表、MACD、RSIの4指標で日経平均の現状を整理し、あわせてファンダメンタルズ面の材料を論じたレポートである。

本記事では、このレポートを主な一次情報とし、下落局面でブルベア型投資信託を使い現物株のドローダウンを限定できるかを検討する。ただし、取得済みの資料にはブルベア型投資信託の信託報酬、基準価額の算出方法、取扱条件は含まれていない。そのため、ヘッジの費用対効果は現時点では評価できない。以下の内容は、その前提で読んでほしい。

調査の範囲と資料の限界

  • 参照した一次情報は2つである。1つ目は上記の第一生命経済研究所レポート(2025年3月13日公表)。2つ目は[楽天証券「テクニカル分析に表れている日経平均の気がかりな兆候」](https://media.rakuten-sec.net/articles/-/7555)である。
  • 楽天証券の記事は、本文中の週足チャートの期間(2013年1月~2014年4月9日)と「9日の日経平均は307円安の14,299円」という記述から、2014年4月頃に書かれたものと読める。2025年3月の相場に対する資料としては使えない。本記事では、テクニカル分析の着眼点を示す補助的な参考にとどめる。
  • 手元の資料は日中の値動きや前場・後場の数値を扱っていない。そのため、本記事で朝6時時点や前場の具体的な価格予想は示さない。

チャート分析で見る下落の確度

ボリンジャーバンド:2024年12月以降、日経平均は概ね±2σのレンジで方向感に欠ける展開が続いた。2月半ば以降は-2σのラインに沿って下落しており、2/28には終値で-2σを下回った。その後は3/7に-σ付近まで戻す場面もあった。レポートは、バンドが収束に転じる「ポージ」が確認されていないため、3/12終値時点では下落トレンドが続いていると整理している([第一生命経済研究所](資産運用のキホン ~その21:テクニカル分析を含めた日経平均株価の見通し~ | 嶌峰 義清 | 第一ライフ資産運用経済研究所))。

一目均衡表:レポートによると、日経平均は1/23の終値39,958.87円をピークに下落トレンドへ転じ、2/3に雲を下抜けた。その後は雲が上値抵抗域として機能している。遅行線は2/20に雲を下抜ける「逆転」が起き、売りシグナルを出したとされる。基準線も2月半ば以降は明確に下回っている([第一生命経済研究所](資産運用のキホン ~その21:テクニカル分析を含めた日経平均株価の見通し~ | 嶌峰 義清 | 第一ライフ資産運用経済研究所))。先行きについては、先行スパン1と2が3/19に再び逆転して雲がねじれる見通しで、相場の転換点となる可能性があるとされる。一方で、雲の水準は3月末以降に急激に下がり始めるため、価格が雲の下にあれば上値抵抗となり、水準が徐々に切り下がる可能性もあると指摘している([第一生命経済研究所](資産運用のキホン ~その21:テクニカル分析を含めた日経平均株価の見通し~ | 嶌峰 義清 | 第一ライフ資産運用経済研究所))。

MACD:1/20にMACDがマイナス圏に入り、その後の一段安を示唆していたとされる。2月下旬以降は下げがきつくなったが、ヒストグラムのマイナス幅は11/29以来のもので、下降トレンドが強まり始めているとまでは言えないという評価である。MACDは下降トレンドの転換時期を示すシグナルを、これまでのところ確認していない([第一生命経済研究所](資産運用のキホン ~その21:テクニカル分析を含めた日経平均株価の見通し~ | 嶌峰 義清 | 第一ライフ資産運用経済研究所))。

RSI:RSIは2月末以降に30%へ接近し、3/7に30%を下回って売られすぎの圏内に入った。ただし、レポートはこれが近々の反転を必ずしも示すものではないと注意を付けている。下落トレンドが続くとしても、一旦はスピード調整が近いという解釈もあり得るという位置づけである([第一生命経済研究所](資産運用のキホン ~その21:テクニカル分析を含めた日経平均株価の見通し~ | 嶌峰 義清 | 第一ライフ資産運用経済研究所))。

月足と24ヶ月移動平均線:24ヶ月移動平均値は、3/12終値で算出して36,128.81円とされる。レポートは、過去の乖離率のパターンから、2月から始まった下降トレンドは途中の上下動を挟みながらも、月足終値ベースで36,000円程度までは続く公算が大きいと判断している([第一生命経済研究所](資産運用のキホン ~その21:テクニカル分析を含めた日経平均株価の見通し~ | 嶌峰 義清 | 第一ライフ資産運用経済研究所))。

筆者の見立て:上記4指標はいずれも下向きで、反発の根拠は現時点では弱いと考える。RSIの売られすぎ入りだけを理由に、逆張りでベア型を新規に買う判断は踏み上げリスクを伴うと考える。一方、レポート自身も「一旦はスピード調整の可能性」を挙げており、下落が続く中での短期的な戻りは想定しておく必要がある。

ファンダメンタルズ面の材料

レポートは、ファンダメンタルズには強弱が混在していると整理している。

レポートの総括は「当面はリスク回避の流れが続く可能性」である。業績や景気は株価を支える一方、関税や政治の不透明感が投資意欲を抑えるという見方である([第一生命経済研究所](資産運用のキホン ~その21:テクニカル分析を含めた日経平均株価の見通し~ | 嶌峰 義清 | 第一ライフ資産運用経済研究所))。

損切りルールの適用条件

ヘッジを検討する前に、ルールを先に固定する。以下は筆者の見立てとして、最低限決めておくべき4点である。

  1. 保有期間の上限と投資額の上限を事前に決める。 取得済みの資料には、損切り幅の根拠となる数値がない。読者が自分の資金規模と許容できる損失で決めるしかない。
  2. 期限をまたぐ保有は原則として避ける。 相互関税は4/2に発動予定とされ、延長の可能性も示されている([第一生命経済研究所)。イベントをまたぐと、ギャップで逆行し、防御のつもりが損失を増幅しかねない。
  3. 反発のサインは雲との関係で確認する。 価格が雲の下に留まるかを見て、ヘッジ比率を段階的に調整する。
  4. 費用の確認が完了するまで発注しない。 信託報酬と販売条件は資料に記載がないため、目論見書で確認する。確認前の損益試算は行わない。

前場・後場の確認枠組み

以下は確認項目の枠組みであり、具体的な価格水準の予想ではない。

  • 朝の時点:先物の気配値と前日終値を照合する。前日終値を下回って始まり、戻りが雲の下に留まる場合は、下降トレンドが続く前提でヘッジ検討の要否を判断する。
  • 前場の判断:値動きが売られすぎ圏からの反発を示すか、雲の下で戻りが抑えられるかを確認する。反発だけを理由にベア型を買うことは避ける。
  • 後場の判断:前場引けの水準が雲の下に留まれば、レポートの見方に沿って下降継続を想定する。雲を回復した場合は、ヘッジの縮小を優先する。
  • 撤退条件:4/2の期限前にヘッジを解消する。事前に決めた損失額に達したら機械的に解消する。

次回に向けた確認事項

次回の課題は、ブルベア型投資信託の目論見書を取り寄せ、信託報酬と基準価額の算出方法を確認することである。数値が確認できた段階で、小口の試算結果を記事にする。

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品や銘柄の売買を勧誘するものではない。最終的な投資判断と資金管理は、読者自身の責任で行ってほしい。

🛒 関連のおすすめ商品

📚 関連動画・もっと詳しく知りたい人へ

📖 Wikipediaで「日経平均の下落局面で考えるブルベア型投資信託のヘッジ検討:テクニカル指標と確認項目」を詳しく見る

【運営情報・お問い合わせ】
当ブログは個人営利利用ガイドラインに基づき運営されています。
お問い合わせ・各種ご連絡は、サイドバー/プロフィール欄記載の連絡先または管理者窓口までお願いいたします。