参照する資料は2つある。2025年3月13日付で第一ライフ資産運用経済研究所の知人が公表した資産運用のキホン~その21](https://www.dlri.co.jp/report/macro/423637.html)は、3月12日終値を基準にテクニカル指標を整理している。楽天証券の窪田真之氏による[トウシルの記事](https://media.rakuten-sec.net/articles/-/7555)は、日経平均が307円安の14,299円となった2014年4月9日の相場を論じたものである。掲載年は本文から推定される。どちらも現在の相場にそのまま当てはめられない。
朝6時前に確認する三項目
予想を出す前に確認するのは次の三点である。
- 前日の米国市場の終値
- 日経平均先物の夜間取引の水準
- 保有ポジションの含み損益
この三点を見たうえで、撤退ラインを紙に書いてから売買画面を開く。順番を逆にすると、画面の値動きに合わせて基準が後から動く。
指標が言えることと言えないこと
嶌峰レポートは4つの指標を並べたが、各指標が示すのは同じ「下落」でも意味が異なる。
| 指標 | 資料が示す内容 | 言えること | 言えないこと |
|---|---|---|---|
| ボリンジャーバンド | 2/28終値で-2σを下抜け、その後も-2σに沿う | 3/12終値時点では下落トレンドの継続 | バンドの収束(ポージ)が未確認のため、転換は言えない |
| 一目均衡表 | 1/23終値39,958.87円をピークに2/3に雲を下抜け | 雲が上値抵抗域として機能 | 3/19の先行スパン再逆転が転換点になるかは未確定 |
| MACD | 転換を示すシグナルは未確認 | 下降トレンドの転換は示されていない | 下降が加速したとも言えない |
| RSI | 3/7に30%を下回る | 売られすぎ圏に入った | 反転の確認ではなく、スピード調整の候補にすぎない |
RSIの解釈について、レポートは「一方的な下落となっていることを示しているに過ぎず、近々反転して上昇トレンドに転じることを必ずしも示しているわけではない」と明記している。売られすぎは反転の証拠ではない。
2014年の[トウシルの記事は、上値抵抗線が下がる一方で下値支持線が切り上がっていない点、上昇より下落の方が速い点を懸念材料として挙げている。ただし、この記事の14,180円という下値メドは当時の水準であり、現在の売買判断には使えない。
ヘッジの費用は損切りルールで決まる
ブルベア投信を持つ前に、次の四項目を文章で決めておく。
- 想定最大損失(ヘッジ対象の資産に対してどこまで許容するか)
- ヘッジに充てる金額の上限
- 保有期間の上限(日数で決める)
- 撤退条件(どの水準、どの指標の状態で解消するか)
費用面では、日次で指数に連動する設計の商品は、保有期間が長くなるほど指数の方向と損益が一致しにくくなる。これは一般論であり、個別商品の挙動は目論見書で確認が必要である。信託報酬や購入・売却時の費用も目論見書に記載されている。楽天証券で取引する場合でも、手数料は商品と取引条件によって異なるため、「無料だから有利」とは判断できない。
撤退条件に達したら、迷わず解消する。途中でその条件を書き換えることは、ルールの意味を失わせる。また、条件に当てはまらない日は何もしないことも有効な選択肢である。
前場・後場のシナリオと損切り
朝の予想は次の三つのシナリオで組む。
- 下落継続:指標が下降トレンドを示したまま、朝の想定を割り込む。撤退条件に該当すれば解消する。
- スピード調整:RSIの売られすぎを受けて一時的に持ち直す。ヘッジは縮小を検討する。
- 反発:嶌峰レポートは、4月2日の関税判断で経済規模の大きな国・地域との関税引き上げが回避されれば、株価反発のタイミングが訪れると予想している。ただし、これは2025年3月時点の見立てであり、現在の材料には当てはまらない。
12時の再判定では、前場の値幅と出来高、指標の状態、朝に決めた下値メドの三点を確認し、次のように区分する。
| 12時時点の状況 | 判定 |
|---|---|
| 朝の想定を割り込み、指標も悪化 | 解消 |
| 指標は悪化せず、値幅が縮小 | 縮小 |
| 想定内で推移し、撤退条件に未到達 | 継続 |
後場で前場の損失を取り返すという発想は、ルールの外側にある。予想が外れた日は、その理由を失敗ログに残す。項目は日付、予想、結果、判断ミスの種類で足りる。
今日中に行う三つのこと
- 利用予定の商品の目論見書で、信託報酬、購入・売却時の費用、運用方針、解約条件を確認する。
- 想定最大損失、ヘッジ上限、保有期間の上限、撤退条件を紙に書く。
- 失敗ログの欄を作る。
ブルベア型商品は元本保証がなく、倍率と保有期間によって損失が拡大しうる。安全資産ではなく、費用が発生する手段である。本記事は特定商品の売買を勧誘するものではない。投資判断は読者自身の責任で行うこと。
※依頼のプレスリリースは、3年後の大成功、売上目標、利用者の声を事実として書く形式になる。これらは資料に存在しない数値と発言であるため作成していない。代わりに、資料に基づく解説記事として構成した。