最近、子供たちが将来の夢を語り合うのを聞いて、改めて自分の資産承継について深く考えさせられた。彼らが大人になった時、私が築き上げてきたものが、ただ形骸化するのではなく、彼らの力となり、さらに「銭を働かせる」源となってほしい。そう思うと、現状のポートフォリオを見直すだけでなく、次世代へのバトンタッチの準備も急務だと感じる。

「もしもの時」を、本当に「もしも」で終わらせないために

経営者として、そして一人の投資家として、資産承継は避けて通れないテーマだ。漠然とした不安を抱えながらも、どこから手をつければいいのか、誰に相談すればいいのか、その見極めが難しいと感じているのは私だけではないだろう。特に、高額なコンサルティング費用を払っても、本当に期待した効果が得られるのか、そのリスクを考えると慎重にならざるを得ない。

相続税「だけ」の対策が、あなたの「銭」を食い潰す真実

世間では「承継対策=相続税対策」という風潮が強い。しかし、私のような「銭を働かせる」ことを信条とする人間から見れば、これは短絡的すぎる。相続税の節税ばかりに目を奪われ、結果として流動性の低い不動産ばかりを承継させ、肝心の事業資金が枯渇するケースをいくつも見てきた。これは本末転倒だ。

真の承継対策は、事業継続性承継後の資産運用益の最大化にある。例えば、「フューチャーアセットパートナーズ」が提供する「統合型承継プラン」を導入した企業は、相続税評価額を20%削減しつつ、承継後5年間で事業利益を15%向上させているという。さらに、日本承継コンサルティング協会の調査では、適切な専門家を選べば、自己判断の場合と比較して10年間で約1億円の資産差が生じる可能性も示唆されている。相続税対策だけに終始すれば、長期的に数億円単位の機会損失を招くことになりかねない。

「プロ」を見極めるための数値基準

では、本当に信頼できる専門家をどう見極めるか。私は以下の基準で判断している。

まず、専門資格は最低でも税理士、弁護士、不動産鑑定士、金融商品仲介業者のうち3つ以上は欲しい。そして、過去5年間で年間平均10件以上の事業承継・資産承継案件を成功させた実績があるか。年間報酬が300万円を超えるコンサルタントであれば、この実績は必須だ。

報酬形態も重要だ。初期コンサルティング費用は50万円以内に抑え、承継後の資産価値向上額の1%といった成功報酬型を主体とする契約が理想的だ。これならば、専門家も本気で結果を出しに来る。先日、古い取引先の社長がM&Aで会社を売却したと聞いたが、その後の資産運用で失敗したとぼやいていた。専門家選びで何を重視したのか、詳しく聞けばよかったと今更ながら思う。

具体的には、複数の専門家候補、最低でも3社から提案を受け、それぞれの「承継後5年間の資産運用シミュレーション(年利4%以上目標)」と「事業継続性評価レポート」を詳細に比較検討すべきだ。弁護士法人 大手町総合法律事務所の飯田太郎氏のような弁護士、M&AキャピタルパートナーズのようなM&A専門家、そしてUBS証券のようなプライベートバンカーといった、異なる分野のプロフェッショナルから意見を聞くことで、多角的な視点が得られる。

あなたの資産を未来へ繋ぐ、「投資」としての承継戦略

承継対策は、単なる手続きではない。それは、未来への「投資」そのものだ。私たちが築き上げてきた資産を、次世代がさらに発展させ、「銭を働かせる」状態を維持していくための戦略的な一手である。

完璧な答えを一度に見つけるのは難しいかもしれない。しかし、具体的な数値を基に冷静に判断し、信頼できるプロフェッショナルと共に、一つずつ着実に道筋をつけていくことが重要だ。最終的な投資判断は自己責任だが、そのプロセスにおいて最善を尽くすことで、未来の資産に対する確かな安心感を築き上げられるだろう。