深夜の台所とキャンプの記憶
母の介護が始まってから、自分の食事は正直二の次でした。健診の結果も気になり始めた年齢ですし、母の食事管理をしながら自分の身体も気にしないといけない。そんな中、キャンプで感じた「強火で一気に仕上げる」あの手応えを、また味わいたいという気持ちがずっとくすぶっていました。
大豆ミート、320円の賭け
スーパーで手に取ったのは、マルコメの『ダイズラボ 大豆ミート』320円。健康にいいのはわかっていても、正直「豆臭くて一口で残す」パターンを何度も経験していたので、また300円と1時間を無駄にするんじゃないかという不安がありました。パートの合間に買い物する身としては、この300円台も地味に痛いんです。
でも、キャンプで培った調理の勘があれば何とかできるんじゃないか。そう思って、思い切って挑戦することにしました。
15分の格闘、乾煎りの魔法
まず乾燥大豆ミートを80度のお湯で3分下ゆで。水分をしっかり絞ってから、フライパンでクミンシードと一緒に1分間乾煎りしました。これだけで、あの独特の豆臭さがかなり和らぐのがわかります。においの成分が約80%も減ると聞いていましたが、実際に台所に立ってみると、豆臭さの代わりにクミンの香ばしい匂いが立ち上ってくるのが体感できました。
そこにS&Bのカレー粉赤缶215円と、隠し味にビターチョコを3gだけ加えます。あとはキャンプのワンフライパン調理と同じ要領で、中強火で一気に煮詰めていく。普段のカレーなら40分はかかる煮込みが、今回は15分で済みました。母の様子を見に行く時間も限られている中で、この短さは正直ありがたかったです。
夫が横で「またキャンプの匂いがするな」と笑っていましたが、内心「これは失敗できない」という緊張感でいっぱいでした。
一口で変わった夜
できあがった特製キーマカレーを一口食べた瞬間、豚ひき肉で作っていた時よりコクが強いことに驚きました。豚ひき肉100gを大豆ミートに置き換えたことで、脂質は約75%削減されているはずなのに、味の物足りなさはまったく感じません。タンパク質も1食あたり21g確保できているというのも、母の食事管理をしている身としては安心材料になります。
娘に味見してもらうと「え、これ大豆ミートなの?」と驚いた顔をしていました。ヘルシー食材は味が薄いという思い込みが、スパイスの力でこんなにあっさり覆るとは思っていませんでした。
介護をしていると、自分の時間も食事も後回しになりがちです。でも、この15分の格闘のおかげで、明日もまた台所に立ってみようという気持ちになれました。皆さんは、健康食材の「不味そう」という思い込み、どう向き合っていますか。
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