173という数字の位置
まず自分の物差しを作ることにしました。人間ドックでよく使われる目安はこうです。
| LDLコレステロール | 区分 |
|---|---|
| 120未満 | 望ましい |
| 140以上 | 要注意 |
| 160以上 | 要精密検査 |
173は160のラインをさらに超えた位置にあります。境界線上でヒヤヒヤ、ではなくはっきり超過ゾーンに入っていると分かった時点で、少し冷静になれました。
自覚症状は何もありません。普段通り山も歩けています。だからこそ「放っておいても平気な気がする」という油断と、「この数字が実際どれくらい危ういのか分からない」という不安が同時に頭の中にありました。
ネットで検索すると「放置で心筋梗塞」という見出しばかり出てきて、余計に落ち着かなくなりました。ただ調べていく中で、要再検査の通知を受けても実際に医療機関を受診する人はおよそ40〜50%程度にとどまるという話も見かけました。半分近くの人が様子見を選んでいるとすれば、私が即決できなかったのも特別なことではなかったのかもしれません。
再検査の目的は、数値の確認だけでなく、家族性高コレステロール血症のような遺伝要因がないかを調べることにもあるそうです。父も血圧が高かったので、その点は素直に確認しておきたいと思いました。
医者に聞き返してみた
かかりつけ医の最初の説明は「とりあえず様子を見ましょうか」でした。「様子を見る」の中身が分からず、聞き返しました。
「何もしないという意味ですか」と尋ねると、まず3ヶ月間の生活改善を試し、その後の数値で薬物療法に進むかどうかを決める、という段階的な進め方を提案してもらえました。
薬の選択肢も具体的に聞きました。クレストールやリピトールといったスタチン系の薬を使うと、数値は平均で20〜30%ほど下がるそうです。一方で、数%の人には筋肉痛のような副作用が出ることもあると説明されました。
「薬を始めたら一生やめられないのでは」という不安を伝えると、まず生活改善の結果を見てから判断すればいいという返事でした。治療方針は医者が一方的に決めるものではなく、こちらの希望も踏まえて一緒に選んでいくものだと、このやり取りで初めて実感しました。
3ヶ月でやったこと
生活改善の3ヶ月で変えたのは主に3つです。
食事は、揚げ物と菓子パンを週5〜6回から週1回程度に減らし、代わりに青魚と納豆を意識的に増やしました。外食のラーメンも月1〜2回までに絞りました。
運動は、平日30分のウォーキングを週4回、休日はできるだけ丹沢か近郊の低山を歩くように。月の登山回数は1回から2〜3回に増え、1日の歩数は平均6000歩から9000歩ほどに伸びました。
3ヶ月後の再検査で、LDLは173から148まで下がりました。160は下回ったものの、140の要注意ラインはまだ超えています。医者からは「もう3ヶ月このまま様子を見よう」と言われ、薬物療法は今のところ見送りになりました。
山に登り続けるために
要再検査の紙を前に迷ったとき、選択肢は「医者の指示に100%従う」か「無視する」の二択ではありませんでした。聞きたいことを聞き、選べる範囲を確認した上で、自分の生活の中でできることを選ぶ。その積み重ねが148という数字につながったのだと思います。
もし今、同じような紙を前にしている人がいたら、まず自分の数値を先ほどの表に当てはめて位置を確認してみてください。そのうえで医者には「段階的なアプローチはできますか」と一言聞いてみることをおすすめします。私はその一言で、次に何をすればいいかがようやく見えてきました。
あの日感じた動揺は、今も完全には消えていません。それでも数字は誰かに管理されるものではなく、これからも山に登り続けるために自分で読んでいくものだと、今は思えています。
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