口約束が消える数字
一番驚いたのは養育費の話でした。私自身の件とは別に、友人の状況を含めて聞いていたのですが、公正証書を作らずに口約束だけで決めた養育費は、3年以内に約56%が支払われなくなるそうです。感情が落ち着いた頃、相手の生活状況が変わり、連絡が途絶える。そのパターンが多いと高橋さんは言っていました。
逆に公正証書を作っておくと受給継続率は約80%まで上がり、万が一止まった場合の強制執行までの日数も平均2週間短くなるとのこと。相場は子供1人で月4万3千円、2人で月6万8千円が全国平均ライン。この数字を知らないまま相手の言い値で合意してしまう人が多いというのも、聞いていて胸が痛みました。
財産分与の思い込み
「稼いでいたほうが有利」というイメージ、私も漠然と持っていました。実際は違って、財産分与は原則2分の1が基本です。専業主婦・主夫だった期間も家事労働として貢献度に算入されるため、収入がなかったからといって分与が減るわけではありません。
高橋さんによると、退職金も対象になるケースがあり、婚姻期間20年で退職金2000万円なら理論上1000万円が分与対象になることもあるそうです。この仕組みを知らずに請求すらしていない相談者が、体感として7割近くいると聞いて、制度と実態のギャップの大きさを実感しました。
年金分割の期限
もう一つ聞いてすぐメモしたのが年金分割です。3号分割・合意分割ともに、離婚から5年で時効になります。申請を忘れたまま時効が過ぎると、月1万5千円前後の差が生涯続く計算になるそうです。月単位だと小さく見えますが、20年、30年と積み重なると数百万円規模になります。
私はこの説明を聞いて、離婚届と同時に年金分割の合意書も作っておくべきだったと少し後悔しました。まだ間に合う人は、年金事務所に情報通知書を請求するところから始めるとよいそうです。
相談で見えたこと
高橋さんの事務所には、離婚相談者の約7割が財産分与と養育費の違いを正しく理解していないまま来る、というデータもあるそうです。制度を知らないだけで、本来受け取れるはずのものを放棄してしまっている。そう聞いて、私は自分の分与内容と年金分割の書類を、もう一度見直すことにしました。
数字だけ並べると事務的な話に見えますが、実際に自分の生活にどう跳ね返るかを一つずつ確認していく作業は、思っていたより地に足のついた時間でした。感情の整理と、お金の整理は、別の作業として分けて進めたほうがよさそうです。
明日は年金事務所に電話して、自分の情報通知書を請求するところから始めようと思います。
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