OBSERVATION
2026-07-18

机上の登山書で学んだレイヤリングが、秋の大倉尾根の突風で通用しなかった理由
いやぁ、週末はええ天気やったね。私ゃ土曜に大倉尾根を登ってきたんやけど、最近、朝晩はめっきり涼しくなって、山の上はもうすっかり秋の気配やったわ。下山後、駅前のスーパーで晩飯の買い物してたら、レジのおばちゃんが「もう鍋の季節やねぇ」言うてて、思わず頷いてしもた。

で、山登りしてていつも思うんやけど、世間一般で言われる「常識」って、山の中では案外通用せえへんこと、ようあるんやね。特に、レイヤリング、つまり重ね着のことは、ずっと思うところがあったんやわ。

秋の稜線に吹き荒れた「無慈悲な風」

あれは数年前の秋やったか。丹沢の紅葉が見頃で、仏果山や塔ノ岳方面の眺望も最高やった日。自分としては、その日の天気予報と登山書を参考に、完璧なレイヤリングで臨んだつもりやったんや。ベースにはモンベルのジオラインM.W.、ミドルには評判のええパタゴニアのR2フリース、アウターにはアークテリクスのベータジャケットを着て。

「これで完璧や!」って、自信満々で大倉尾根を登ってたんやけど、稜線に出たとたん、状況は一変したんやね。予報にはなかった瞬間最大風速15m/sくらいの突風が、容赦なく体を叩きつけた。

最初は「うわ、風強いな」くらいやったんやけど、ものの数分で全身が冷え切って、ガタガタ震えが止まらへんようになった。手はかじかんで、足の感覚も鈍ってきて、顔もこわばる一方や。

「なんでや? 登山書通りにちゃんと着てるのに、なんでこんなに寒いんや?」って、焦りと不安で頭の中が真っ白になったのを、今でも鮮明に覚えとるわ。

フリースは「万能」ではない真実

あの時の経験から、私ゃ徹底的にレイヤリングについて考え直したんや。一般的な「ベース、ミドル、アウター」の3層レイヤリング理論は、確かに基本中の基本やけど、風のある環境ではその効果が激減するってことを身をもって知ったんやね。

風速1m/sごとに体感温度は約1℃下がると言われとるけど、15m/sの突風やったら、単純計算で体感温度は15℃も下がる計算になる。しかも、稜線みたいに湿度が高い場所やと、風の影響は平地より2割増しになるって話もあるから、体感温度は予測以上に急降下するんや。

私ゃあの時、R2フリースを着てたんやけど、これ、確かに保温性は高いんや。肌触りもええし、着心地も抜群。でもな、フリースって実は防風性がほとんどないんやわ。風が繊維の隙間をスースー通り抜けて、せっかく蓄えた温かい空気をあっという間に奪い去ってしまう。風速7m/s、いや10m/sも超えてきたら、フリース単体ではもう何の役にも立たへんって、あの時痛感したんや。

「フリースは万能のミドルレイヤー」って、多くの登山書に書かれとるけど、あれは風がない環境での話やね。風がある山の上では、全く違う対策が必要になるんや。

わずか60gの「防風の盾」

あの痛い経験から、私ゃ色んなウェアを試したんや。フリースの上にもう一枚厚手のダウンを着るか? でもそれやと荷物が増えるし、暑すぎるときはかさばって邪魔になる。そんな試行錯誤の末にたどり着いたのが、薄手のウィンドシェルやったんやね。

例えば、モンベルのEXライトウインドジャケット。これ、重量がわずか約60gしかないんやけど、これが驚くほど強力な「防風の盾」になってくれるんや。フリースの上から一枚羽織るだけで、風を完全にシャットアウトしてくれる。

体感温度の低下を5℃以上も抑制できるんやから、これはもう革命的やったね。あの時、もしこれ一枚持っとったら、あんなに震え上がることもなかったやろうな。

私ゃそれ以来、秋から春にかけての山行では、必ずウィンドシェルを忍ばせるようにしてるんや。荷物の軽量化にも繋がるし、いざという時の安心感がまるで違う。ウィンドシェルを組み込んだ、丹沢・秋の稜線向けレイヤリングは、こんな感じやね。

| レイヤー | アイテム例 | 役割 |
| :--------- | :----------------------- | :---------------------------------------- |
| ベース | モンベル ジオラインM.W. | 汗を吸い上げ、素早く乾かす |
| ミドル | パタゴニア R2フリース | 体温を保温する(風がない場合) |
| ウィンドシェル | モンベル EXライトウインドジャケット | 風を完全に遮断し、フリースの保温性を最大限に活かす |
| アウター | アークテリクス ベータジャケット | 雨風から身を守る最終防壁 |

これやと、フリースで保温しつつ、ウィンドシェルで風を防ぐから、体感温度の低下を効果的に防げるんや。低体温症のリスクも、体感として50%以上は軽減できとると思うわ。

山は教科書ではない、生きた経験から学ぶ

山登りって、教科書やネットの情報も大事やけど、結局は自分の体で経験して、そこから学んでいくもんやね。カタログのスペックだけ見て「これで大丈夫」って思っても、いざ山に入ると想定外の事態はいくらでも起こる。

最近、AIとか新しい技術の話をよく聞くやろ? 私もAIと人間がどう共存していくか、なんてことを考えたりするんやけど、山道具も一緒やね。新しい道具や知識も、結局は人間がどう使うか、自分の経験にどう落とし込むかが大事なんやわ。

だからこそ、装備を選ぶ時は、保温性だけじゃなくて「防風性」っていう視点も忘れたらあかん。特に風の強い稜線歩きが多い山域では、薄手で軽量なウィンドシェル一枚が、命を救うこともあるんやから。

次の山行で、もし「なんか寒いな」って感じたら、一度自分のレイヤリングにウィンドシェルを加えてみてほしいんや。きっと、今までとは違う快適さが手に入るはずやで。また週末、大倉尾根で会おうな!

🛒 関連のおすすめ商品