また入れてもうた
「これは良さそうや」と思ってダウンロードするのは、毎回同じ流れや。
最初の3日間はちゃんと使う。朝起きてすぐ開いて、気になる記事をタップして、「あとで読む」に保存する。夜には「今日もインプットできた」とちょっと満足する。
10日後には無言で放置している。
気づいたらホーム画面の片隅で、NewsPicks・SmartNews・Perplexity・Feedly・Pocketのアイコンが静かに並んでる。試して、放置して、また試す。同じことを繰り返してた。
NewsPicksは月2,040円の有料プランまで契約した。当時の私は本気やったんや。「今度こそ情報感度の高い人間になれる」と思って。
1日41分ニュースを確認してたのに、翌週に内容を説明できた記事は0本やった。
同僚に「最近のAI規制の動き、どう思う?」と聞かれて、何も答えられなかった。毎朝スクロールしてたのに。あれはいったい何の時間やったんかと、本気で思った。
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余談やけど、今朝コーヒー淹れながら妻に「最近ニュース読んでる?」って聞いたら、「テレビで十分やん」って一言で返された。その一言がなんかずっと頭に残ってる。
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数字で見たら笑えんかった
NewsPicksの有料プランを3ヶ月続けた。費用は合計6,120円。
「あとで読む」リストには130本の記事を積んでいた。実際に読み返したのは6本。既読率4.6%。
Pocket社が公開したデータによると、ブックマーク保存記事の平均既読率は約11%だそうや。つまりあとで読むリストに積んだ記事の約9割は、一生読まれない。それが業界の「普通」らしい。
私はその平均すら下回ってた。
| 指標 | 私の実態 | 業界平均データ | 出典 |
|------|---------|--------------|------|
| あとで読む既読率 | 4.6%(130本中6本) | 約11% | Pocket社公開データ |
| 閲覧内容の再現率 | 翌週0本 | 約7% | 総務省令和5年調査 |
| 1日のニュース閲覧時間 | 41分 | 23分 | 同上 |
| 仕事で活用できた情報 | ほぼゼロ | 計測なし | 筆者体験 |
総務省の「令和5年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、20〜40代のスマホニュース閲覧は1日平均23分で、内容を再現できた割合はわずか7%とされている。
筆者の場合、閲覧時間が平均の倍近くあって、再現率は0%。
金払って罪悪感だけ積み上げてた、ということや。
アプリ変えても14日で元通り
「じゃあ次のアプリにしよう」と思う。これが罠やった。
行動経済学の研究によると、同じ人間が別のアプリに移行しても平均14日以内に同じ習慣パターン——積んで読まない、流し見して忘れる——に戻るとされている。アプリを変えても、人間は変わらない。
慶應義塾大学の2022年の論文では、NewsPicksのヘビーユーザーほど閲覧カテゴリの多様性スコアが低下するという研究報告がある。AIが「あなた好みのニュース」を届けるほど、知的な視野は逆に狭くなっていく。
業界の動きを見ても、同じことが言える。
| 通説(幻想) | 実際のデータ・根拠 |
|------------|-----------------|
| 高機能AIアプリほど情報収集が改善される | ヘビーユーザーほど多様性スコアが低下(慶應2022年論文) |
| アプリを変えれば習慣が変わる | 14日で同じパターンに戻る(行動経済学研究) |
| AIが最適な記事を届けてくれる | Artifact:1年でサービス終了、SmartNews:AI縮小方向へ |
SmartNewsは2023年、従業員の約40%にあたる約200人をレイオフした。AIパーソナライズ機能の開発を縮小し、ユーザーの能動的な選択に回帰する方向に動いた事実がある。
Artifactというアプリもあった。Instagramの共同創業者が立ち上げたAIニュースアプリで、「AIが最適な記事を届ける」コンセプトで注目された。2024年3月、リリースからわずか1年でサービス終了している。継続利用率が想定を大幅に下回ったとされている。
業界自身が「AIパーソナライズの限界」を認め始めてる。
新しいアプリを探す行動自体が、自分の習慣を変えることを避けるための逃げ道になってたんや。ツール幻想、とでも言うべきか。苦かったけど、そうわかったらちょっと楽になった。
日曜の朝30分だけ
ルールをシンプルに絞った。
- スマホのニュースアプリ通知をすべてOFF(朝イチのスクロール衝動をなくす)
- 日曜朝だけ30分のニュース時間をカレンダーに予約する
- その30分で気になる記事を3本だけ選び、最後まで読む
- 読み終わったら「誰かに話すなら何と言うか」を3行だけメモする
- 「あとで読む」リストへの保存は禁止(読むか、捨てるかの二択)
月に読んだ記事数は120本から12本に激減した。
でも仕事で活用できた情報量は、体感で3倍になった。
少ない方が多い。逆説みたいやけど、これが私の実感や。
使うアプリはどれでもええ。Google Discoverでも紙の新聞でも。行動経済学的に言えば、「アプリを変えるコストより、15分の習慣設計に投資する方が効果は高い」ということや。まあそういうことやった。
情報は量より使えるかどうかや
アプリより先に、自分の習慣を変える。それだけやった。
130本積んで6本しか読まんかった。でもルール3つ決めてから、ちゃんと使える情報が手に入るようになった。
あなたの「あとで読む」リスト、いま何本ありますか?
次のアプリを探す前に、今度の日曜の朝30分だけ、カレンダーに予約を入れてみてほしい。それだけでええ。
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