OBSERVATION
金曜の夜、新大久保。
事の発端は、知人から持ちかけられた話だった。彼がパーティーで知り合ったという女性2名と食事をすることになり、そこに私が参加することになったのだ。いわゆる「合コン」の席だが、声をかけてくれた知人本人は不在で、男側は私1人という陣容だった。
もう1人の知人にも声をかけていたが、彼からは「別のパーティーの予定があって、終わるのが19時からの2時間後になる」との連絡。合流は遅くなる予定だった。
案内された韓国料理の店に入り、女性2名と席に着く。そして21時を回った頃、もう1人の知人から「用事が終わったので、そのまま帰る」とメッセージが届いた。こうして、女性2名と私1人の席のまま過ごすことになった。
皿の上で踊るサンナクチ(生ダコ)
そのテーブルに運ばれてきたのが、名物の「サンナクチ(生ダコ)」だ。
皿の上で、ぶつ切りにされたタコの脚が激しくくねくねとうごめいている。
箸で掴み、ごま油と塩をつけて口に運ぶ。噛んだ瞬間、吸盤が舌の内側にギューッと力強く吸い付いてきた。しっかりとした弾力と、噛むほどに広がるタコの甘み、そしてごま油の風味。見た目のインパクトに反して、実に旨い。
夜風と余韻
テーブルにはユッケや韓国の小皿料理が並び、デザートにはMarket Oのリアルブラウニーも添えられていた。
食事を終えて店を出たあとは、新大久保から歌舞伎町の通りを抜け、上野方面へと足を伸ばした。夜風にあたりながら歩いている間も、さっき舌に吸い付いてきたあの吸盤の感触が、鮮烈に思い出されていた。