中之島美術館という寄り道
打ち合わせの合間、ふと思い立って中之島美術館まで足を延ばした。2022年2月開館、遠藤克彦建築研究所が設計した黒い立方体の建物は、大阪に住んでいても何度見ても異物感がある。調べたら構想開始から開館まで約34年かかったそうで、道理でこの街に馴染むまで時間がかかったわけだと妙に納得した。
常設展は500円。ちょうどモディリアーニ展をやっていて、企画展のチケットは1500円だった(展示によって1500〜2200円と幅があるらしい)。5階のカウンターで当日券を買い、特に予習もせず中に入った。
平日の午後だったが、思ったより空いていなかった。学生らしき集団と、海外からの観光客らしき人たちがそこそこいた。静かに絵と向き合いたいなら、開館直後の時間を狙うのが正解だと後から知った。次はそうしようと思う。
絵の前で、何も考えなかった
モディリアーニの肖像画は、首の長さも顔の傾きも現実離れしているのに、なぜか見ていて落ち着く。何かを分析しようとする頭が、途中から動かなくなった。 いつもなら「これは仕事に使えるか」と考えてしまう癖があるのに、その日は珍しく、ただ眺めていた。
これが何分続いたのか覚えていない。時計を見る習慣すら、その時間だけ止まっていた気がする。
北浜レトロで紅茶を飲むだけ
美術館を出て、徒歩12分の北浜レトロに向かった。1918年築の英国式建築を使った喫茶店で、紅茶が850円。メニューを見ても種類が多くて選びきれず、店員さんに「今日のおすすめは」と聞いたら、その日の気分に合わせて教えてくれた。20種類以上あるらしい。
紅茶を飲みながら、特に何をするでもなくぼんやりしていた。スマホも一応取り出したが、すぐしまった。長居して迷惑じゃないかと少し気になったが、混んでいる様子もなかったので、結局1時間近く座っていたと思う。
罪悪感とスマホの関係
正直に言うと、これまで休日にダラダラ過ごすと、決まって「何も生み出していない」という罪悪感に襲われていた。その罪悪感から逃げるように、結局スマホを触って時間を溶かし、余計に自己嫌悪が増す。そんな循環を何度も繰り返してきた。
今回は違ったのは、「予定として何もしないこと」を先に決めていたからだと思う。ダラダラするのではなく、美術館とカフェという行き先だけ決めて、あとは流れに任せた。この差は思ったより大きかった。
翌日の体感が変わった
月曜、いつもより作業に入るまでの時間が短かった。体感でしかないが、20%くらい効率が上がった気がする。「休日は予定を詰め込むべき」という考え方をどこかで信じていたが、少なくとも自分には逆の方が合っていたらしい。
これで結論を出すには一回の経験では心もとない。ただ、次の休日も同じように、行き先だけ決めて中身を決めない一日を試してみようと思っている。
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