夫も子どもも、特に黄身の色にこだわりがあるわけではありませんが、私が選んだものを何も言わずに食べてくれます。家族の健康を預かる者として、漠然とした「良いものを選ばなければ」というプレッシャーを、ずっと感じていたのかもしれません。
スマホのニュースが「卵神話」を壊した日
先日、パートの休憩中にスマホでニュースを眺めていたら、目に飛び込んできた記事がありました。dメニューに載っていた「黄身が濃いほど栄養豊富」は間違い? 卵にまつわる意外と知らない3つの“誤解”」という見出しです。思わず二度見しました。
記事を読んで衝撃を受けました。黄身の色の濃さは、鶏が食べたエサの色素によるもので、栄養価とは直接関係がないというのです。さらに、殻の色の違いも、栄養には影響しないと。長年信じてきた「常識」が、ガラガラと音を立てて崩れていくような感覚でした。昔は「コレステロールを気にして卵は1日1個まで」なんて言われていましたが、それも今は見直されているんですね。
卵の殻を割ったら見えた「良妻賢母」の枷
「黄身が濃い方がいい」というのは、亡くなった祖母や、母もよく言っていた言葉です。私もそれを何の疑いもなく受け継ぎ、さらに夫や子どもの健康を気遣うあまり、過剰に「良いもの」を選び続けてきたような気がします。まるで、そうすることが「良妻賢母」の証だとでも言いたげに。
この卵のニュースをきっかけに、私自身の人生における「思い込み」や「見せかけ」に気づかされました。母の介護食ひとつとっても、本当に大切なのは黄身の色ではなく、きちんと食べてもらえる工夫や、食の喜びを感じてもらうことなのではないかと。これまで自分が信じてきた「良いこと」「正しいこと」が、実は自分を縛り付けていた枷だったのかもしれません。
白い殻の卵が教えてくれたこれからの私
食卓に並ぶ卵の選び方が、少し変わりました。特売の白い殻の卵も、躊躇なく買うようになりました。記事を読んで、殻の色と栄養価には直接関係がないと知ったからです。夫も「美味しいね」と普通に食べてくれ、当たり前のことですが、心が軽くなったような気がしました。
これからは、世間の常識や誰かの期待に縛られることなく、もっと自分の「リアル」に向き合って生きていきたい。完璧な「良い妻、良い母、良い娘」でなくてもいい。そう自分を許すことで、介護で疲れた心も、少しずつ解放されていくような気がしています。まずは、目の前の小さな選択から、自分にとって本当に心地よいものを選んでいく。そんな「縛られない生き方」を、これからの人生で探していきたいと、静かに決意しています。
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