ユニクロのブラトップや無印良品のキャミソールは、本当に便利で手放せないのですが、鏡に映る自分はいつも「母」か「妻」の顔をしているな、と。実用性は高いけれど、着替える瞬間に胸が高鳴るような高揚感は、もうずいぶん感じていませんでした。
先日、何気なく見ていたSNSで、高級ランジェリーの専門店『ル・シエル・エトワール』の広告が目に留まりました。華やかなシルクのランジェリーが、私の中の何かを刺激したのかもしれません。余談ですが、子供たちが最近、私が着ている服の色にまで口を出すようになって。「もっと明るい色を着てほしい」なんて言われると、なんだか自分の存在が薄れていくような気がして、少し寂しくなりますね。
『ル・シエル』の扉を叩く
思い切って、その『ル・シエル・エトワール』の扉を叩いてみたんです。正直、場違いなんじゃないかと、お店に入る前から心臓がドキドキしていました。でも、このまま枯れていく自分を見るのが、もっと怖かったのです。
店員さんは、私の体を丁寧に見てくださり、正しいブラのサイズを測ってくれました。驚いたのは、適切なブラをつけるだけで、ウエストが約2cmも引き締まって見えるということ。今までいかに自分の体を適当に扱っていたのか、突きつけられた気がしました。これは、誰かのためではなく、純粋に「私」のためのお買い物。その背徳感にも似た高揚感が、久しぶりに私の心を揺さぶりました。
シルクを纏う肌の記憶
結局、私は思い切って、3万8000円のシルクのランジェリーセットを購入しました。ラペルラのような憧れのブランドには手が届きませんが、それでも私にとっては清水の舞台から飛び降りるような気持ちでした。
肌に触れた瞬間の、あのひんやりとした滑らかさ。今まで感じたことのない感触に、ゾクゾクしました。まるで、私自身の肌が、長い眠りから覚めて、官能を思い出したかのような…そんな感覚です。店員さんからは、シルクは肌の水分量を保つのに良いと聞きました。実際に、肌の摩擦が減って、乾燥しにくくなったように感じます。エイジングケアにも繋がるという話を聞いて、納得しました。
私だけの聖域
このランジェリーは、誰に見せるわけでもありません。夫も子供たちも、私がどんな下着をつけているかなんて、気にしないでしょう。でも、それでいいんです。週に一度のカフェでの日記もそうですが、このランジェリーもまた、私にとっての「自分を再発見するプロジェクト」の一部。母でも妻でもない、一人の女性としての私を慈しむ時間です。
月に1万5000円を、心と肌のメンテナンスに投資する。それは、決して無駄な出費ではないと、今は確信しています。翌朝、鏡を見る時間が少し長くなったのは、その証拠かもしれません。誰にも明かさない、私だけの秘密の悦び。それが、私の日常に、静かな輝きを与えてくれています。あなたなら、自分だけの聖域を、どんな形で見つけますか?