「詩集サイトは、見た目が九割」。そう思い込んで展示室を開いたのが3週間前です。今は違う結論にたどり着いています。

展示室を開くまでの出費

骨組みはSTUDIOとWordPressで迷いました。無料プランのSTUDIOは独自ドメインに対応しておらず、看板を自分の名前で掲げられません。結局、月額1,980円のプランに切り替え、ドメイン取得の1,320円を足して、初月だけで3,300円の出費になりました。安くはない額でしたが、これは「入場料」ではなく「展示室を借りる家賃」だと考えるようにしています。

一篇を掛けるのにかかった時間

一篇を壁に掛けるまでの手間は、平均45分でした。推敲に20分、レイアウト調整に15分、SNS用の画像作成に10分。30篇を並べ終えるまでに、述べ22時間半かかっています。創作の時間が展示準備に食われていく感覚は、正直こたえました。

朔太郎が選ばれた夜

著作権切れの近代詩(青空文庫収録の萩原朔太郎、中原中也など)10篇と、自作詩10篇を同じ条件で並べた週がありました。結果、前者はGoogle検索からの流入が自作詩の約3.4倍。判断基準として私が実践的な目安にしているのは、著作者の没後年数と青空文庫への収録有無だけです。断定はできませんが、この二つを満たす作品なら、まず展示に迷いません。

自分の言葉より、時代を超えた詩人の言葉のほうが来場者に届く。キュレーターとしては誠実に受け止めるべき結果ですが、書き手としては少し悔しい夜でした。

白い壁が長く見られた理由

装飾を凝らしたページより、シンプルなテキスト中心のレイアウトのほうが、滞在時間が平均1分48秒長いという差が出ました。装飾が多いページほど離脱率も高い。美術展示で余白を効かせるほど作品が際立つのと同じで、詩という素材には白い壁のほうが向いていたようです。デザインをすべて否定するつもりはありませんが、少なくとも詩にはこの結果でした。

目録を整えたら時間が戻った

Notionを目録がわりに使い、タイトル・季語・公開日をプロパティで管理するようにしたら、並べ替えと検索の作業時間が1篇あたり15分から3分に縮まりました。地味な工夫ですが、22時間半のうち確実に数時間はこれで取り戻せています。

名前で探されていなかった

Google Search Consoleを見て驚いたのは、検索クエリの62%が「詩 現代 短い」のような口語的な複合語だったことです。詩人の名前で直接探して来る人はわずか8%。来場者は特定の作家を目指して来るのではなく、言葉そのものを求めてふらりと立ち寄っている、という動線でした。

告知の仕方も見直しました。Canvaで詩の一節を画像にしてXに投稿した回だけ、流入が通常の2.1倍になっています。看板の掲げ方ひとつで、通りがかる人の数は変わるようです。

まだ7割程度の手応えですが、白い壁と目録の整理で、次の展示に進む余力は残っています。もし自分だけの詩集サイトを考えているなら、デザインより先に、どの詩を並べるかの判断基準を決めておくことをおすすめします。あなたなら、どちらを先に決めますか。

🛒 関連のおすすめ商品