全3回の第1回です。2026年10月20日。久しぶりに塔ノ岳へ向かうことになった朝、最初に目に入ったのは、登山天気の判定「C」でした。
ただし、降水の予報は低めでした。Cという一文字だけで即座に中止と決めるのか、それとも何が評価を下げているのかを見て判断するのか。今回は後者を選び、同行者と山へ向かうことにしました。
「C=雨」とは限らない
当日の自分の記録には、山頂付近では風が強い可能性があり、急な雨にも備える必要がある、と残っています。つまり気にしていたのは、単純な降水確率だけではありませんでした。風、防寒、雨具、同行者の装備。いくつかの条件をまとめて見る必要がありました。
以前、雨を理由に塔ノ岳を中止したことがあります。また別の機会には、コンディションCを見て中止を決めた記録もあります。だから今回は、Cを軽視したわけではありません。過去に引き返した経験があるからこそ、数字を鵜呑みにせず、中身を分けて考えようとした朝でした。
同行者の雨具まで考える
同行者は十分なレインウエアを持っていない状態でした。そこで自分は、予備として渡せるジャケットを持っていくことにしました。自分一人なら自分の装備だけで完結しますが、二人で動く日はそうはいきません。
一方で、自分のザック用レインカバーは朝から探しても見つかりませんでした。完璧な準備ができたから出発したのではなく、不足しているものを認識したうえで、持てる備えを増やして判断した、というのが実際のところです。
出発判断は「行く/行かない」の二択ではない
山の判断は、天気アプリの記号ひとつで終わりません。どこに不確実性があるか、誰と行くのか、足りない装備は何か、悪化したときに予定を変えられるか。そうした条件を一つずつ見える形にして初めて、出発するという判断に責任が生まれます。
10月20日の塔ノ岳は、山に着く前からすでに始まっていました。
次回:「一人分の装備では足りない――同行者がいる日に変わったザックの考え方」
注:この記事は当日朝に残した会話記録をもとに、確認できる事実と、その後の振り返りを分けて再構成しています。山頂到達や実際の降雨など、記録で確認できないことは断定していません。