こういうやり取りが、ワイはホンマに好きなんや。家に帰って妻に「今日の鯛、ええの買えたで」って得意げに話したら、「またオマケしてもらったん?」って笑われたわ。ふと空を見上げたら、ええ天気で気持ちよかったんやけど、こんな日常の風景が、デジタル化の波で変わっていくんかなって、ちょっと寂しくなったんや。
世間の常識と大阪のホンマ
最近、ニュースでキャッシュレス決済の話をよく聞くやろ?経済産業省のデータやと、2023年には全国で約39.3%の人がキャッシュレスで支払いしとるらしい。みんなスマホでピッてやるのが当たり前になってきたんやな。
せやけど、ワイらが住む大阪の市場、例えば黒門市場とか天神橋筋商店街なんかに行くと、話は全然ちゃうんや。ある調査によると、大阪の市場ではキャッシュレス決済の比率が約25%に留まってるんやて。全国平均を14ポイント以上も下回っとる。これって、約7割の店が現金決済を主にしてるってことなんや。
「なんで大阪の市場だけこんなに現金なんやろ?」「時代遅れちゃうんか?」って思う人もおるかもしれん。でもな、ワイは思うんや。これって単に遅れてるんやなくて、そこに「大阪ならではの商売の哲学」があるんとちゃうか、ってな。効率だけが正義なんか?って、ワイはいつも疑問に思うんや。
値切り、おまけ、世間話
大阪の市場がなんで現金決済にこだわるんか、その答えはさっきの魚屋の親父とのやり取りに詰まっとるんやで。現金やからこそ、あの値引き交渉が生まれるんや。平均で約10%の値引きがあるんやで。
それに「おまけ」や「端数サービス」もそうや。大阪市場活性化委員会の報告書によると、週に2回以上おまけをしてる店は、お客さんのリピート率が約20%も向上しとるらしい。これ、すごくないか?
アンケートでは、市場関係者の約60%が「現金でのやり取りが顧客との会話のきっかけになる」って答えてるんや。ワイもそう思うわ。現金を渡すときに「今日ええ天気やね」「これ、どうやって食べたら美味しいん?」なんて、ちょっとした世間話が弾むやろ。それが「また来よう」って気持ちに繋がるんや。
余談やけど、この前銭湯に行ったらな、番台のおばちゃんが「あんた、最近見かけへんかったな」って声かけてくれて。ああいうちょっとした声かけって、ホッとするもんやろ。市場も同じで、単に物を買うだけやない、人と人との触れ合いがあるからこそ、また行きたくなるんやと思うで。
便利さの裏にある葛藤
もちろん、市場の店主さんかて、デジタル決済の便利さは分かっとるはずや。現金管理の手間は減るし、防犯のリスクも少なくなる。ええことばっかりやんか、ってな。
せやけど、新しい決済端末の導入コストがかかるし、毎月の手数料も馬鹿にならん。それに、うちの孫はスマホの操作なんてお手の物やけど、年配の店主さんらにとっては、操作方法を覚えるだけでも一苦労やろ。
周りの店がPayPayとかを導入し始めてるのを見ると、「うちもやらなアカンのか…時代遅れやと思われるんちゃうか」って焦る気持ちもわかるで。でもな、実際にデジタル決済を導入した店の中には、顧客単価が5%減少したり、常連客との会話が減って来店頻度が落ちたりするケースも報告されとるんや。
便利さだけを追い求めて、ホンマに大切なもんを失ってしまうんやとしたら、それは考えもんやで。効率と人間味、このバランスが、これからの商売にはめちゃくちゃ大事になってくるんちゃうかな。
「遅い知」でホンマの豊かさ
大阪の市場が「人間味」を捨てへんかったのは、単に新しいもんを取り入れるのが遅いだけやない。むしろ、「ホンマに大切なもん」を見極めて、それを守り抜こうとする強い意志なんやと、ワイは思うんや。
効率性を追求するだけやなくて、人との繋がり、信頼、そして「おまけ」や「値引き」が生み出す温かいコミュニケーション。これこそが、市場の商売人たちが守り続けてきた「ホンマの豊かさ」なんやないやろか。
このデジタル化の時代に、わざと「遅い知恵」で商売を続ける市場の姿は、ワイらに「ホンマの豊かさって何やろ?」って問いかけてるように思えるわ。
ワイもフリーライターとして、このデジタル時代の波をどう乗りこなすか、日々考えてるんや。まずは、いつも行く市場で、顔なじみの店主さんと、もうちょっと深く話してみよかな。そんな小さな一歩から、新しい「人間味あふれるデジタル時代」のヒントが見つかるかもしれへんからな。