ふと気づくと、婚活アプリのメッセージを眺めている自分もいました。返信を考えるフリをして、ただぼんやりと画面を見つめている。頭の中はいつも雑多な情報でパンパンで、新しいアイデアなんて全く浮かびません。このままでは、フリーランスへの移行なんて夢のまた夢だと、焦るばかりでした。
スマホの向こうで、私はいつも焦っていた
朝起きてすぐ、夜寝る直前まで、私の視線はいつもスマホに釘付けでした。仕事のメール、SNSのタイムライン、ニュース記事。あらゆる情報が矢継ぎ早に飛び込んできて、頭の中は常にオーバーヒート状態です。
先日、ベランダの鉢植えの水やりをしていたときのこと。少し葉が枯れかけているのを見て、「ああ、私の心もこんな風に潤いをなくしているのかもしれないな」と思いました。リフレッシュしたい気持ちは山々ですが、高価なスパや旅行に行く時間も余裕もありません。手軽に気分転換できる場所はないかと、ずっと探していました。
480円の「オフラインの聖域」を見つけた日
そんなとき、ふと目に留まったのが、会社の帰り道にある銭湯でした。普段なら素通りしてしまう場所です。でも、その日はなぜか、湯煙の立ち上る暖簾が、私を招いているように見えました。
カフェで2時間過ごせば、コーヒーとケーキで千円は軽く超えてしまいます。でも銭湯なら、たった480円。この金額で、どれだけの「オフラインの時間」が買えるのだろう? そんなことを考えたら、なんだか無性に惹きつけられました。思い立ったが吉日、その日のうちに「寿湯」の暖簾をくぐったのです。
湯煙の向こうで、私が私に戻る時間
脱衣所でスマホをロッカーにしまい込んだ瞬間、少しの不安と、それ以上の解放感に包まれました。「本当に2時間もスマホなしでいられるだろうか」と最初は戸惑いましたが、それは杞憂でした。
熱すぎず、ぬるすぎない湯船に身体を沈めると、全身の力がすっと抜けていくのを感じます。そして、試してみたのが「温冷交代浴」でした。熱い湯に10分、冷水に2分、そして休憩を5分。これを3セット繰り返すうちに、身体の芯からじんわりと温まり、頭の中のもやもやが、湯気と一緒に消えていくような感覚になりました。
まるで深い瞑想に入ったかのように、頭の中の雑念が消え、不思議と新しいアイデアが次々と浮かんできたのです。副業の企画案、婚活アプリの返信内容、友人への感謝の言葉。普段なら考えもしないようなことが、まるで泉のように湧き出てきました。2時間(120分)があっという間に感じられました。
湯上りの私に、ささやかな希望が灯る
銭湯から出た後、身体はポカポカと温かく、頭は驚くほどクリアになっていました。翌日、仕事に向かうと、その効果は歴然でした。いつもならすぐに気が散ってしまうのに、その日は午前中ずっと集中力が途切れません。
婚活アプリのメッセージも、以前のように焦って返信するのではなく、相手の言葉をじっくりと読み込み、丁寧に言葉を選ぶことができるようになりました。高価なデジタルデトックス施設に行かなくても、たった数百円の銭湯で、こんなにも心身が回復するなんて。
寿湯は、私にとっての「オフラインの聖域」になりました。50代になり、人生の後半戦をどう生きるか、どんなパートナーと歩むか。漠然とした不安はまだありますが、少なくとも、集中力を取り戻し、自分と向き合う時間を持つことで、少しずつ前向きに進んでいけるような気がしています。
あなたは、普段どんな風にリフレッシュしていますか? よかったら、教えてくださいね。