改札でリュックが重くなった日
京都駅の改札を抜けて新幹線ホームまでの徒歩8分。いつもと同じ道のはずやのに、その日はやたら肩に食い込んだ。
原因は単純で、リュックに新顔が増えたから。ASUS ZenScreen MB16AC、15.6インチのモバイルモニターを1万9800円で自腹購入して、荷物総重量が2.3kgから3.1kgに増えていた。
「在宅で使ってるデュアルディスプレイ環境、新幹線でも再現できたら論文執筆が捗るんちゃうか」。そう思って買った。動機は単純やった。
スペックだけ見たら『買い』やった
冷静にスペックを並べると、この判断自体は間違ってなかったと思う。MacBook Air単体構成と、モニター追加構成を比較したのが下の表。
| 項目 | ASUS ZenScreen MB16AC | MacBook Air単体構成 | 参考:折りたたみスタンドのみ |
|---|---|---|---|
| 価格 | 19,800円 | 0円(既存端末) | 3,000円前後 |
| 重量 | 780g | 約1.24kg(本体のみ) | 約200g |
| 画面サイズ | 15.6インチ追加 | 13.6インチのみ | 変化なし |
| 接続方式 | Type-C to Type-C(給電兼用) | 不要 | 不要 |
| 荷物総重量への影響 | 2.3kg→3.1kg | 変化なし | ほぼ変化なし |
Type-Cケーブル一本で給電も映像出力もできる手軽さは魅力やった。自宅の机なら実際、今も快適に使えている。だから「これは新幹線でも活躍するはず」と素直に期待した。
12回中2回しか広げられんかった
ところが実際の車内では、事情がまったく違った。新幹線普通車のテーブル幅は約40cm。13インチMacBook Air(横28.6cm)を置いた時点でもうギリギリで、モニターを並べると隣席との肘スペースが実質ゼロになる。
月4往復、往復12回のうちモバイルモニターを実際に広げられたのはたった2回。使用率にすると17%しかなかった。3列シートの窓側以外では、設置そのものを諦めた。
さらに厄介やったのが電源問題。車内コンセントは1席1口しかない。モニターにType-C給電すると、スマホ充電と競合してしまい、むしろモニターなしの日よりバッテリー残量への不安が増えた。
設置・接続・電源確保にかかった時間は平均12分。片道2時間20分のうち、これだけで実質執筆時間を8.6%削減していた計算になる。
1画面のほうが書けてもうた
ここが一番意外やったところ。モニターなし、MacBook Air単体+折りたたみスタンドだけで執筆した日の方が、Word数換算で平均320語/時多く書けていた。
理由を振り返ると、Googleドキュメントの原稿とZoteroの文献リストを1画面で行き来する方が、視線の移動が少なく推敲に集中できていた。画面を分割すると情報量は増えるけど、その分だけ気が散る。狭いテーブルの上では特にそれが顕著やった。
「作業領域を広げれば生産性が上がる」という前提が、新幹線という環境では単純に成立しなかったということやと思う。
良かった点・気になった点
- 良かった点
- 自宅の机では画面分割で資料と原稿を同時参照でき、はかどる
- Type-C一本で給電と映像出力が完結し、配線がすっきりする
- 780gと軽量で、持ち運び自体は苦にならないサイズ感
- 気になった点
- 新幹線普通車のテーブル幅(約40cm)には物理的に収まりきらない
- 設置・電源確保の手間で実質執筆時間が目減りする
結局、机の上でだけ働いとる
1万9800円のASUS ZenScreen MB16ACは、自宅の机の上では今も現役で、後悔はしていない。ただ移動中の執筆に関しては、「荷物が増えるコスト」が「画面が増えるメリット」をはっきり上回った。
購入するなら公式サイトやAmazonで型番「MB16AC」を確認するのが確実やけど、新幹線作業だけが目的なら、正直買わなくていい。
こんな人に向く:自宅やホテル滞在が多く、固定の机で資料と原稿を並べて作業したい人。
こんな人に向かない:移動中の車内執筆がメインで、荷物を極力減らしたい人。
代わりに勧めたいのは、折りたたみスタンド(3,000円前後)と外部キーボードの組み合わせ。荷重はほぼ増えず、姿勢だけ改善できる。おすすめ度は★3。道具としては優秀やけど、使う場所を選ぶ、というのが今回の結論。
あなたなら、この1万9800円、どっちに投資しますか。
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