OBSERVATION
2026-07-18

食わず嫌いだった「電子部品周辺の2番手株」を15万円で拾う。営業利益率12%を叩き出す本質的な強みとは
数百万の超大型株を横目に、手元の15万円の使い道を血眼で探す。この感覚は、個人投資家なら誰しも経験があるだろう。ソニーやキーエンスといった優良企業は、1単元買うのに数百万円が必要で、とてもではないが手が出せない。

だからといって、予算15万円前後で買える株を探すと、業績が赤字寸前だったり、将来性のない「万年割安株」ばかりが目に付く。結局、リスクばかりが先行して、なかなか買い注文を入れる勇気が出ないのが現実だ。私自身も以前はそうだった。「好き」の輪郭を探す中で、なぜこんな状況に陥るのかを突き詰めて考えている。

地味な2番手がなぜ価格決定権を握るのか

電子部品業界では、「大手1番手を買えば安泰」という通説がまかり通っている。確かに、規模の経済が働く分野ではその理屈も通るだろう。しかし、実際の市場はそれほど単純ではない。バルク買いによる価格叩きに遭いやすい汎用品メーカーと、価格決定権を握るニッチ分野の企業では、利益構造が全く異なる。

例えば、マクロテック・コンポーネンツ株式会社のような企業だ。時価総額300億円規模と、いわゆる中小型株に分類されるが、この地味な2番手が驚くべき数字を叩き出している。業界首位のA社が汎用品市場で熾烈な価格競争に巻き込まれる中、マクロテック・コンポーネンツは多品種少量生産に特化し、利益率の高いカスタム仕様品で粗利率35%を維持している。この戦略が、結果として大手1番手を上回る営業利益率に繋がっている。

営業利益率12%の正体と参入障壁

マクロテック・コンポーネンツが高い営業利益率12%を維持し続けている背景には、明確な理由がある。同社の主要製品であるサーマルシールド・プロ(高耐熱絶縁シート)は、特定のニッチ市場でシェア45%を誇る。この製品は大手自動車部品メーカーにも採用されており、EV用インバータの熱暴走リスクを従来比で23%低減し、部品全体の軽量化にも貢献している。

この技術的優位性を支えているのが、チーフ・テクノロジー・オフィサーである山田 健一氏が率いる研究開発だ。同社は過去5年間で研究開発費を売上比4.5%から6.8%へと段階的に引き上げ、その結果として特許出願数120件という強力な参入障壁を構築している。これは、安易な模倣を許さない盤石なビジネスモデルと言えるだろう。

余談だが、以前、私は特許の重要性を軽視し、目先の売上だけに囚われたスタートアップに投資して痛い目に遭ったことがある。技術力があっても、それが法的に保護されていなければ、あっという間に競合に追いつかれる。その経験から、数字の裏にある「本質的な強み」を徹底的に深掘りするようになった。

来期予想とリスク管理

足元の成長性も申し分ない。車載向け次世代パワー半導体用コンデンサ周辺部材の採用数が前年比180%に急増している。この勢いを鑑みると、来期の営業利益は15億2,000万円へと2桁増益が見込まれる。株価1,450円(最低投資金額14.5万円)で、直近3年間のROEが平均14.2%と東証プライム平均の約2倍という数字は、投資効率(ROI)の観点からも非常に魅力的だ。

もちろん、市場環境の変動リスクは常に考慮すべきだ。EVシフトの加速は追い風だが、サプライチェーンの混乱や原材料価格の高騰といった外部要因が業績に影響を与える可能性もゼロではない。しかし、確固たる技術力とニッチ市場での優位性、そして何よりもその裏付けとなる数字を見れば、この「地味な2番手株」が、単なる割安ボロ株とは一線を画す存在であることは明らかだ。

あなたなら、このマクロテック・コンポーネンツという企業を、15万円の投資先としてどう評価するだろうか。

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