その山本くんに実験台になってもらったのは私で、聞いてちょっと複雑な気分になった。
やる前の正直な感触
前の記事でChatGPTのAdvanced Voice ModeとGeminiの音声機能を自分で一通り触ってはいた。応答が速いのも、会話のテンポも悪くないのも確認した。
でも「これを生徒に使わせる」となると、なかなか踏み切れなかった。
「AIと話す練習って、虚しくない?」という気持ちが正直あった。教えてる私でさえそう感じてたんだから、生徒が引いても不思議じゃない。結局「やってみないとわからない」で、山本くんを含む8人にお願いして30日間の試験をやることにした。
最初の1週間で詰まったこと
まずプロンプトで詰まった。
「日常英会話の練習をしてください」だけだと、ChatGPTが褒めすぎる。「That's wonderful!」「Excellent job!」が毎回来て、受講生が「なんか気持ち悪い」と言い出した。そうなるよな。
ロールプレイ型に変えた。「You are a barista at a busy coffee shop. I am a customer. Please speak naturally.」みたいな感じ。これだけで全然違う。AIの返しが自然になって、受講生も「あ、これ普通の会話だ」って顔になった。
セッションの長さも間違えた。最初30分やらせたら10分でバテる。15分でもきつそうな人がいた。最適は10〜12分を1日1〜2回。これが今のところいちばんしっくりきてる。
「英語で考えた」が7人から来た
1週間くらい経った頃、山本くんが「先生、なんか英語で考えた瞬間があった」って言ってきた。
正直びっくりした。人間の講師と話すとき沈黙が多くて、私もどう引き出すかいつも悩んでた子だから。
30日後、8人のうち7人が同じことを言った。数字で見ると、私との1対1では平均1分ちょっとしか話せてなかったのが、AIとだと4分半以上になってた。4倍以上の差がある。TOEICのスコアも、5人が50点以上伸びてた。
正直「まじか」と思った。
恥ずかしさが邪魔してた
なんでこうなるのか、受講生に聞いたら答えはシンプルだった。
「人前で黙ると気まずい。でもAIだと別に気まずくない」
これだけだった。人間の講師との会話では「こんな簡単な単語も出てこない自分が恥ずかしい」というプレッシャーで頭が真っ白になる。25分のレッスンが終わっても、やりたかった練習ができないまま終わる。そのサイクル、私も昔の英語学習でやってたから気持ちはわかる。
AIだと自己検閲がない。間違えても待ってくれる。だから口が動く。動くと語彙が出てくる。出てくると「あ、言えた」になる。
余談だけど、うちの子に英語を教えようとすると「パパにだけは絶対見せたくない」ってなる。恥ずかしいらしい。でもAIに話しかけさせたら10分以上やってた。まあそういうことだよな、と改めて思った。
明日から試すならこれだけ
ChatGPT Plusに入る(月$20くらい)。Voice Modeを開く。最初にこれを言う。
「You are a barista. I am a customer. Please speak naturally and don't correct my grammar unless I ask.」
これで話しかける。10分。以上。
プロンプトは最初ぎこちなくていい。2〜3日使いながら自分の目的に合わせて直せばいい。私も最初の1週間はかなり試行錯誤した。スクールでは今、これを「自主練ツール」にして、人間との対話は「確認と応用」に絞る形に移行しつつある。
まだ途中だけど、手応えは今のところ悪くない。
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