
あの頃の私は、YouTubeで見た「映えるキャンプ飯」に囚われていました。子供たちに「すごい!」と言わせたい一心で、手の込んだ料理に挑戦していたのです。調味料だけで5〜6種類を用意し、現地で「あれ、これ忘れた!」とパニックになることも一度や二度ではありません。結果は、5〜8歳の子供が「辛い」「苦い」と半分以上残し、結局テントでカップ麺を啜るという悲劇の繰り返し。残された私は、冷え切った焚き火の前で、自分の不甲斐なさを噛みしめるばかりでした。
「炭火でじっくり」は迷信。腹をすかせた獣たちに15分の奇跡を
そんな失敗を重ねて気づいたのは、「炭火でじっくり時間をかけるほど美味い」なんて、単なる迷信だということ。お腹をすかせた子供たちの前では、15分以内に完成するスピード飯の方が、圧倒的に満足度が高いのです。彼らにとって大切なのは、目の前の料理がどれだけ早く、美味しいか。親の見栄なんて、二の次三の次でした。
そこから私のキャンプ飯は、徹底的に「手抜き」に舵を切りました。市販品をハックする。これが、家族の笑顔と私自身の自由な時間を取り戻すための、唯一の道だと悟ったのです。
例えば、カルディの「黒麻婆豆腐の素(198円)」は、私の救世主でした。これとマルちゃんの「焼そば」の麺を組み合わせれば、調味料の計量時間はゼロ。フライパン一つで、外食レベルの本格的な麻婆焼きそばが15分で完成します。子供たちは大喜びで、あっという間に平らげてしまいます。
業務スーパーの「ポテトサラダ(1kg)」も、我が家の定番アイテムです。これをロゴスの「ホットサンドパン」に敷き詰め、カマンベールチーズを丸ごと1個乗せて5分焼けば、濃厚なグラタン風に。熱々をハフハフ言いながら食べる子供たちの顔を見ていると、私の心も温かくなります。
ギトギトのフライパンを炊事場へ運ぶ夜、やっと私の「本当の時間」が始まった
以前は、油ギトギトのフライパンやクッカーが大量に残り、炊事場とテントを3往復以上する羽目になって、夜の焚き火時間が削られることが常でした。でも今は、キャプテンスタッグの「アルミ角型クッカー」が大活躍しています。これ一つで湯切り不要のワンポットパスタが12分で完成し、洗い物の水は80%も削減できるのです。
そういえば、先日実家の母の介護で役所に行った時も、手続きの煩雑さにうんざりしました。書類一つ出すにも何度も往復が必要で、まるで昔の私がキャンプ場でフライパンを洗うために往復していた頃を思い出してしまいました。何事も、いかに効率よく、無駄なく動くかが、50代の私たちには本当に大事なことだと痛感します。
余談ですが、お肉はダイショーの「秘伝 焼肉のたれ」で下味冷凍して持参するようにしています。現地での調理時間が10分短縮されるだけでなく、保冷剤代わりにもなるので一石二鳥です。市販のレトルトカレーにS&Bの「カレープラス 辛さ自在」を1袋入れるだけで、子供用の中辛カレーが3秒で大人向けの激辛スパイスカレーに変貌する裏技も、我が家では重宝しています。
「手抜き」と聞くと、聞こえが悪いかもしれません。でも、私はこの「手抜き」によって、家族との本物の時間を取り戻すことができました。子供たちが料理を完食し、満面の笑みで「美味しかった!」と言ってくれる。その一言が、私の自己肯定感を爆発させ、明日への活力を与えてくれるのです。炊事場で一人、冷たい水で手を洗う夜はもうありません。焚き火を囲み、家族と他愛ない話をする時間が、私にとって何よりのご褒美です。
綺麗事を捨てて、自分なりの「手抜き」を極めること。それが、50代からの家族との向き合い方なのかもしれません。あなたなら、どんな「手抜き」で、家族の笑顔と自分の時間を取り戻しますか?
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